命の水(スープ)
チーフ登場。なんか書け!というたら書ける事はいっぱいあるというので書いてもらいました。自分の料理をやり始めて約10年。(38歳からごろから本格的にはじめた)いろいろな料理(僕の売りは材料があれば何でも料理をしますよという事)を今までしてきましたが、一番の思い出は,前に務めていたときのお店の常連さんのことですが、奥さんが『くもまっか出血 』 で倒れ入院したという事は聞いておりましたが。しばらくしてその常連の社長さんは 『 人間は、口から直接食事をしないと”生きる”という事が生まれない,点滴だけではダメだ』という事を強く言われてきました。そして、ある日 いきなり 僕に向かって 『だから(奥さんの)料理をつくってくれ!』と頭を下げられました。僕の中ではその人が一番怖いお客さんだったので僕に対して頭を下げるという事が考えられなかったので二つ返事で引き受けました。とは言うものの、流動食なんて作ったことがなかったので随分考えました。そして、僕なりの料理で1週間だけでしたが作らせていただきました。お忙しい方だったのですが、毎日仕事が終わってから僕の作った流動食を取りにこられ奥さんに食べさせていました。その後、その方から『君の作った流動食は 命の水(スープ)だ』と最高の言葉をいただきました。本当にこのときはうれしかった。涙が出ました。 今から6,7年前にあったこと。 その後お元気で過ごされています。流動食はほうれん草と鶏肉をミキサーにかけて作ったもの。よく覚えていない。チーフのお母さんもC型肝炎のため食事制限がある。今もチーフは作っているけどややこしい。食べるって大事なことだなと思う。