建築家日記(715) 見学会終了
見学会終了構造見学会が無事に終了した。完成見学会と違い、見るものは派手には写らない。基礎、土台、柱や梁を見て、それでおしまい。当たり前といえば当たり前の構造を見ていただいた。私は建築家なので、商品の説明のような真似はできない。建物個々にスペックが違うので、ここが売りです!などということはない。このクライアント(施主)固有の何かを感じ取っていただくしかない。昔ならあたりまえの風景が、今は見学会になってしまうほど珍しくなってしまった。商品としての建物の見学会では、完成した表面のみを見ることとなる。私にはそのどれもが同じ建物に見えてしまう。四角い部屋には特徴がなく、クライアント(施主)の顔が見えてはこない。今回の構造見学会では、クライアント(施主)の気持ちが伝わってくる。固有の何かが存在している。構造見学会を経ての完成見学会は、味のあるものとなるだろう。今回のI邸は、建築専門誌レベルのものが出来上がるように感じているので、ダメ元で出版社に投稿してみたい。