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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2015.03.16
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お茶ペットボトルウォッチャーのあるきちです。

前の記事でもご紹介しましたが、本日、コカ・コーラ社から国産烏龍茶飲料の「つむぎ」が発売されました。

つむぎ


こちらの「つむぎ」も国産烏龍茶を100%原料としております。
公式Webサイト

つむぎ説明書き


説明書きには、

国産茶葉と「つむぎ」ならではのこだわり製法だからこそ実現できた、日本の「味わい烏龍茶」
国産茶葉を100%使用。こだわりの製法による、丁寧な仕事が生み出した、日本ならではの味わいをお楽しみ下さい。


とあります。
#正直、国産原料であること以外は何も伝わってこないコピー・・・。コピーライターさん泣かせな商品であります(^^;)

こちらは産地はどこと明記していません。
が、大手ペットボトルメーカーに安定した量を供給するということは、かなりの大手の茶業さんでないと出来ないことなので、まあ大体察しはつきますね(^^;)

気になるのは、やはりお味の方です。

つむぎ水色


水色はやはり茶色系です。
透明感もあり、やや薄いことから日本の品種から作った烏龍茶だなーと思います。
このあたりは「にっぽん烏龍」とほぼ共通ですね。
ただ、こちらの方が若干色は濃いように感じます。

香りと味ですが、こちらはより焙煎が深く効いているようです。
その分、味のまとまり感は優れていて、味の輪郭がハッキリした感じですね。

「にっぽん烏龍」は、やや青さのある茶葉があったり、火入れの効いたお茶があったりとブレンドされた個々のお茶の主張が感じられます。
良くいえば複雑、悪くいえばまとまりの無さを感じます。

しかし、こちらの方は焙煎のためか個性が一つにまとめられていて、スムーズな飲み口に仕上がっています。
このへんの調整は、さすが大手飲料メーカーのノウハウでしょうか。
おそらく、より抵抗感無く飲める風合いになっています。

ただ、その裏返しとして、烏龍茶の持つ香りの複雑さという部分はやや減衰されています。
ほうじ茶に近いジャンルの飲み物と位置づけた方が良さそうです。

コカ・コーラの製品ラインナップを見てみると、現在、ほうじ茶の品揃えがないので、そこを補強しつつ、国産ならではの安心感で烏龍茶市場の顧客層も取り込む、という戦略のように感じます。



<国産烏龍茶にとっての転機かも>
今回、2つのメーカーから国産烏龍茶のペットボトルがリリースされたわけですが、茶業的な視点から見ると、これはちょっと大きな転換点だと思います。

なにしろ、ペットボトル原料になるような品質のお茶を生産し、ナショナルブランドの定番商品として供給し続けるためには、相応の生産ラインが必要です。
既存の生産設備を使って、後は手作りで・・・という生産方式では、量的にも価格的にもペットボトルメーカーの需要に応えられません。
ある程度、自動化された効率的な生産ラインを作る必要があります。

この烏龍茶の生産ラインってのは、これまでの煎茶のものとは全く違う設備になりますので、茶葉生産メーカー側では億単位の投資が行われたのではないかと推察されます。

これは到底1年で回収出来るような金額ではありません。
なので、このような製品が出て来たということは、かなり本腰を入れて、国産烏龍茶を生産していくという意思表示であると感じます。



正直なところ、今回の一連の国産烏龍茶製品。
ペットボトル商品としては、まあ合格ラインだと感じますが、普段から品質の高い中国や台湾の烏龍茶を飲んでいる層にとっては、「飲めなくはないけど、とりたてて美味しくは無いわね」という水準ではあります。

ここで「国産烏龍茶は大したこと無いね」と切って捨てることも出来るのですが、そこで思い返したいのは日本の自動車です。

かつて、日本の自動車は二輪車にボディを付けたような小型車からスタートしました。
当時は「日本車など安いだけで品質は二の次。高級車?無理、無理(笑)」という評価をされていたわけです。

ところが、そうした車を量産していくうちに、段々とノウハウを蓄積。
そして、「日本には無理」と言われていた高級車を作れるようになり、相応の評価を得るようになってきています。

量産品から良いものを作って行くのは、日本の”お家芸”なので、お茶の世界でも同じことが起こってもおかしくはありません。


というわけで、このお茶。
当初は爆発的なヒットはしないかもしれませんが、ぜひ改良を繰り返しながら作り続けていただきたいな、と思います。
マッサンでもそうですが、新しい製品はそんな簡単にできませんので。
作り続けることが大事です。


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そういうストーリーもありでしょう








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Last updated  2015.03.16 19:12:01
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