|
カテゴリ:読書と自分と
さて、訃報が降ってきても、すぐには、対応できない。千々に散乱。
しばらくおいてから、断片をつなぎ合わせてみる。 過日、谷口ジローさんが、亡くなられた。 自分は愛読者を自認します。 しかし、奇妙なもので、 一番に読むはずだった本が、いまだに、読めていない。 20代の前半だったある日、 とある先輩が、谷口さんのボクシング漫画を絶賛されたのがきっかけで、 読み始めた漫画家さんです。 最初に手にとったのはたしか『白い牙』で、 デビュー10年ほどなのにすでに15冊近い単行本があり、 また、ほぼ毎年に新刊が出てくるし、 『ぼっちゃんの時代』のシリーズも始まっていた時期。 全作読破はおそれおおく、 手の届くものから読みあさっていました。 最新刊の『千年の翼 百年の夢』は、昨年の12月22日に読んでいました。 「多感」な雰囲気に、違和感を感じながら。 本来は遠い世界のことを、リアルにする想像力が谷口さんのメインなのだけど、この本ではじめて、谷口さんの夢想を・・・。( あ、ちがう、ドラマで見たデビュー前後の下宿屋さんを舞台に書いたあれがあるんだった。 ) 自分の等身大の分身を描いた2回だけ、谷口さんは「リアリティ」を気にしないで描いたのかもしれない。 口数すくなく、感情を口に出さないのが、谷口流の主役だと思っていたのに。今回の主人公は、ちょっと、ちがう。すぐ、動揺する。 ラジオから流れてくる糸魚川市の火災のニュースに、『父の暦』を思い出しながら。 で、WIKIぺを見て、ショック。 2005年~2015年の10年間の本を、自分は読んでいない。 本屋でも、その姿すらみていない。 きっかけとなった「ボクシング」のも、読んでいないし。 熱心ではないが、それでも自分は、谷口ジローのファンです。 追伸)坂口尚さんと、谷口ジローさんは、自分のなかではとても重要なまんが家さん。大友さんや石森さんや手塚さんよりも、きっと。 感情にのせて物語を走らせる坂口さんと、感情を伏字にしながら物語を進める谷口さんと、タイプは真逆。 ちょっと、言い方を変えよう。 坂口さんは、人々の感情こそが世界を変えると夢見る目線で。 谷口さんは、人々は既定の世界(エベレストでも、ドヤ街でも、)の中で最善を尽くすという現実的な視点で。 ものがたりを書いたのだと思う。 ・・・・無理があるなぁ。 今のじぶんにたりないのは、余力とゆとり。 凍土の旅人 [ 谷口ジロ- ] 【中古】その他コミック あっかんべェ一休(1) / 坂口尚 芸術新潮 2017年 07月号 [雑誌] 第2特集 追悼! 谷口ジロー 挑戦するマンガ家の軌跡 大友克洋 ヤマザキマリ 関川夏央 中条省平 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年07月02日 11時58分33秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書と自分と] カテゴリの最新記事
|