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カテゴリ:読書と自分と
『目覚めの森の美女 森と水の14の物語』著者:ディアドラ・サリヴァン
新聞の書評を読んで興味を持つ。 童話・昔話に出てくるお姫様の視点を、ちょっと現代的または悪者的にしてリメイクしているという。 https://book.asahi.com/article/12977859 翻訳版の出版元の創元社のサイトから引用する。 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010973 「シンデレラ」「赤ずきん」等14のおとぎ話をひねりを加え再話した、血と陰謀、裏切りと魅惑の匂いが漂う短編集。アイルランドのYA三賞受賞。ダークで美しく力強い幻想譚。 ■■■■■■ このアイルランドの作家さんの短編集と類似性を感じるシリーズが、清原なつのさんのマンガのシリーズにある。 『人魚姫と半魚人王子(お伽ファンタジー1)』 『雨降り姫と砂漠王子(お伽ファンタジー2)』 http://www.asahi.com/showbiz/column/manga_henai/TKY201202090382.html 自分の手元には、1しかなく、2は未読。 こちらは、「昔ばなしの姫やオリジナルな姫に、対立するキャラ王子が出会ったら、、、」というシリーズで、ヒトクセもフタクセもある姫が登場する。 収録作品のタイトルにある「虫愛ずる姫」「眠り姫」「人魚姫」「鉢かづき姫」は昔話・童話系と思うが、現代に生きる人魚姫であったり、一寸法師と同時代の鉢かつぎ姫であったりする。社会的背景や時代は重視されていない。ロミオとジュリエットみたいな、対立する境遇にどう対処するか、どうすれ違うか、そんなところがキモのようです。 (1巻・収録作品) /金銀宝石姫とブリキ王子/虫愛ずる姫vs.花咲か王子/ふたなり姫ととりかえばや皇子/眠り姫と監禁王子/人魚姫と半魚人王子/カナリア姫とオウム王子/かたづけられねーぜ姫とブラックホール王子/鉢かづき姫と一寸法師王子/サボテン姫とイグアナ王子 ■■■■■■ いままでの「姫」は、良識があり善人である人物を骨格に、何らかの特殊性をかぶされた存在だった。 これからの「姫」は、基本的な性格に問題があったり、自分の特殊性を容認できずに性格が曲がっていたりするのかもしれない。 現代の「姫」を思索する作家さんが、アイルランドと日本で存在していること。 そして、どちらも女性であること。 比較しても始まらないのだけれど、「この時代」の共通する意識があるかもしれない。 卒論には、向かないけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年01月01日 04時15分01秒
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