アレグロモデラート。
『人を外見で判断してはいけない。』…?そんなの、言われなくてもわかってる。わかってるつもりだったんだ、あの日までは…。兄やんには一人の女友達がいる。その子が友達だと思ってくれてるかどうかはわからないけど、兄やんはそう思ってる。その子の周りには、ゆったりとした時間が流れていて、あたたかで、ほんわかとした空気がいつも傍に在った。その子が早口を言ってるとこなんて見たことないし、まして走ってるところなんて… 想像すらできない。あれはいつだったかな?季節は覚えてない。4・5年前だった気がする。その子と一緒に飲んだ時に、酔っ払って質問しちゃったんだ。「100メートル何秒くらいで走るの?」『えっ?…う~ん。』悩む友達。「だいたいでいいからさ。」興味津々の兄やん。そして出た答えは…『9秒くらいかな?』…せ、世界記録!!