カテゴリ:「ジェンダーと哲学」の本
ケータイ小説に果敢に挑戦した瀬戸内寂聴さんのあしたの虹をケータイで読みました。本を買ってないので書評になるのかはわかりませんが、86歳のお年でよくケータイ小説の特徴をつかみ、内容から、文体から研究され素晴らしいです。ケータイ小説のトレンドを踏み外さず、しかも内容は、ばっちり瀬戸内さんの小説です。瀬戸内さんの茶目っ気と、新しいものへの挑戦、そして本質をつかむ感覚はお見事としかいえません。第3回のケータイ小説大賞の審査員長ということで、源氏千年をテーマとしているので、そういった背景がわかるとなるほどと思います。ぱーぷるというニックネームも思わず微笑んでしまいます。しかも男性の主人公は「ヒカル」です。 この作品、ケータイで読むと、他のケータイ小説に混じってもまったく違和感はありません。しかし、やはりさすがにうまいです。ケータイ小説版の源氏物語とでもいうのでしょうか。子供たちはこれをどんな感覚でうけとめるのでしょうか。きっと共感をもって読むのではないかと思います。 こうして、小説家である瀬戸内さんが書いているケータイ小説を読んでみると、今までに描かれたケータイ小説の元となる男と女の織り成す物語と、源氏物語のような昔から日本の女性たちがつづってきた物語は、それほど大きな隔たりがないように感じました。 女性たちの共通する思いや気持ちは、昔から変っていないのです。 現在ケータイ小説への様々な批評が書かれていますが、それのどれもが、なにか違うように感じていました。また、瀬戸内さんのように実際に挑戦してみるという作家は今までほとんどいませんでした。それだけ大御所瀬戸内さんは吹っ切れているのかもしれませんし、なにより、瀬戸内さん自体がデビューした当時に文壇から散々干されたという経験もされているので、他の方々より自由な感覚をお持ちなのかもしれません。瀬戸内さんのケータイ小説デビューは、asomeとしては、非常に愉快な出来事です。瀬戸内さんに続き、たとえば姫野カオルコさんとか、いろいろな方のケータイ小説が出てくると面白いのになと思います。何より、子供たちがそういった大先輩の方々のケータイ小説を読んで、小説を書く力がより向上するといいなと思います。 同時に魔法のiらんどでは「恋空」の美嘉さんの新作の連載が始まりました。こちらもなかなか面白いです。皆さんも、頭から毛嫌いしないで、ぜひケータイ小説をお読みになってみるといいですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.30 01:37:42
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