カテゴリ:「お気に入りのお店」
山陰地方にいってきました。
今年に入って二度目の雪となり、大変な寒波と聞いていました。電車の窓からの景色はすでに暗く、日程が決まっていましたので、雪の鳥取に向かいました。行きは新幹線でしたが、岡山から八雲に乗って米子に着いたのは、夜の九時を過ぎていました。前が見えない情況だったので、その日は取り急ぎホテルに入り、休みました。 次の日、起きて窓を開けると一面雪が積もっていました。東京もこの頃は雪が積もることがほとんどありませんので、何かとても懐かしい光景に出合ったような気持ちでした。そして、雪が降っているのに、お日様が出てきて、お天気雪とでも云うのでしょうか。青空が見えたり、お日様がきらきら光っても雪が降り続ける不思議な天候なのです。地元の方に聞くと、良くあることとおっしゃっていました。場所が変わると、雪の降り方も全然違うのですね。山を越えて岡山や広島、山口はまた全然気候が違うそうですが、日本海側特有の、共通した湿り気のある風土に懐かしさを感じました。 その日の仕事を済ませて、米子から鳥取へ行きました。夜の食事をどこにしようかと迷っていると、地元の方が「土地の料理なら『たくみ』はいかがですか」と教えてくださいました。鳥取民芸美術館の隣にあるたくみ割烹店は、とても素敵な店構えです。民芸館の並びで、美術館、民芸店、割烹店となっています。民芸美術館の一環として、民芸品を実際に使っていただき、美味しいものを食べながら器を味わってもらうという、生活的観賞の場としての割烹店。大変素敵な空間でした。このような美術館と割烹店が並びにあるのは初めて見ました。障子やスタンド、テーブル、壁掛け、のれん、すべて手作りの味わいのあるものばかりです。また出てきたお料理がとても素晴らしいのです。鳥取の地の食材をそのまま心をこめてだしてくださっている感じで、このようなおもてなしは、だれでもが感動すると感じました。 「烏賊の麹づけ」「こもちかれいの煮つけ」「牛筋の煮込み」「お刺身、」「豆腐のあんかけ」など使い勝手の良い民芸品のお茶碗、お皿に盛りつけられ、お櫃ごとのご飯にも感動します。 目で見て、手で触れて味わい、空間も楽しめるという場、今まで経験したことがない空間でした。お店の書棚のところには、司馬遼太郎さんが訪ねてこられ、書かれたという文章が掲載されていました。さすがに司馬遼太郎さんです。奥行きのある紹介文書はお見事と思わず唸ってしまうような、本当にお上手な文章でした。まさに今経験していることを的確に、美しく表現されていて、お料理とともに大変感動しました。 お値段もお安く、どなたにもお勧めできるお店です。心豊かになる空間って、素晴らしいですね。雪で平日のせいもあるかもしれませんが、あまり人が入っていなかったことが、少し気がかりでした。ぜひ、続けていってほしいなと思いました。翌日の朝も雪でしたが、美術館を見、たくみ工芸店に寄り、器を買いました。とてもお手頃のお値段でした。 そして今日の仕事が終わってから、鳥取砂丘に連れて行っていただきました。せっかくの砂丘でしたが、雪だったので、雪の平原となっており、砂は見えませんでした。しかし、大変美しい夕焼けと、明るい雲の流れに大変感動しました。 http://www.infosakyu.ne.jp/toricom/square/takumi/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.03.08 23:16:50
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