ぼく、路上系社長 前橋 靖 著 亜紀書房
ホームレスからでも立ち直れるから大丈夫!非常に参考になる内容です。ソーシャル・ベンチャーといわれる、社会の問題を解決しながら、利益を上げる会社となることを目指している株式会社 エム・クルー の創業社長、前橋 靖さんの初めての本です。ニートやフリーター、果てはホームレスになってしまった人たちへ、住まいや仕事を提供し、立ち直れるための準備ができる場所を提供しつつ、支援するというホームレスの為の簡易寮『レスト・ボックス』の仕事内容は、実は前橋さんのこれまでの経験が生きているのです。まったく新しい仕事の作り方、ソーシャル・ベンチャーという分野で注目をされている前橋さんのお話は、非常に参考となり、とっても面白いです。こういった社会の問題をソリューションしていくノウハウは、ご自身がフリーター、路上生活から仕事を見つけていき、生活を立て直していったというプロセスから生まれてきます。そうでなかったら、まず問題も読めてこないし、その解決法も見つからないでしょう。前橋さんは、小学校のときから、成績はいつもびりかびりから二番目、だけど体育は得意な元気な子供だったようです。唯一、人にほめられたサーフィンの道を進もうと、高校時代はプロのサーファーを目指したものの、プロサーファーで食べていくことは非常にむずかしかったのです。プロの道を諦めたころから、車に住んだりテントをはったりという路上生活、その日暮らしが始まったのです。話を読み進めていくうちに、どうやってこの状態を解決していくんだろうと、わくわくします。勉強は出来ないけど、状況は非常に救いようがないような状況でも、一つでも集中してできる好きなことがあったり、なにか出来ることがあれば、人は必ず道を見出していくのですね。ソフトバンクの孫社長にあって質問をしたときにも、まったく無視されたというエピソードもなかなか面白いです。IT技術こそ、貧困層の問題解決の重要な鍵なのだと思いますが、今後は前橋さんのような若い人たちがどんどん現れ、社会や世界の山積する問題解決を身近なところから解決していく、そういった生き方が社会の未来をひらくのでしょう。IT業界の人たちも、このことを充分理解しなければ、ますます日本のIT業界は世界に遅れをとることでしょう。二、三時間で読める本ですから、ぜひお読みください。また、C・K・プラハラード著 「ネクスト・マーケット」英治出版 も非常に面白い内容です。いつかご紹介しようと思いますが、社会の問題、貧困の問題の解決作こそ次の大きなマーケットとなるという内容です。ぜひ皆様お読みになってくださいね!