女を幸せにしない「男女共同参画社会」 山下悦子著 洋泉社
非常に興味深いタイトルを見て、思わず手に取って買ってしまいました。なかなか面白い本で、かなり納得する部分が多いですね。著者の山下さんは仕事しながら子育て、老人介護をしている、いわゆる勝ち組といわれる範囲に入る方ですが、近頃、税的な特権を奪われつつある主婦の逆襲というかなりラディカルな内容です。でも、実際に生活者としての体験から発言されているので、ある面小気味よく、相当な話題を呼びそうな本ですね。「オニババ化する女たち」もそうですが、反感を持つ人も多いと思います。でもわたしは非常に面白かったです。小子化対策とは、子供を増やすため、子育てをする人たちの支援をするという努力をするということではなく、子供が少なくなった分、女たちを男なみに働かせて、税金を取るという策であるということをはっきりと述べていて、納得してしまいました。自分の周りを見ても、仕事場でも結婚する女の人にはめったにお目にかからず、さらに子供を生むと言う人もほとんどいません。男の人は結構結婚するんですけどね。小子化は進む一方であるし、世の中が子供を生み育てるということができやすくなったとこれっぽっちも思うことができないし、ますます子供を生んで育てるということが大変な時代となっているように実感として思います。かろうじて、子供のいる若い男性社員は、朝から晩まで仕事をし、家事労働をしてるとはとっても思えないですから、小子化対策だの、男女共同参画といっても現実はますます問題が進んでいるという感覚は、この本を読んで、「やっぱり」と確信となり、思わずため息をつくという、そういった感じなんですね。実は男女共同参画は、シングルエリートであるフェミニズム推奨の女性たちが主に推進したものなのだそうです。彼女たちの利害と国の利害が一致して、推し進められたということなのですね。しかも「ジェンダーフリー」という、さっぱりわけのわからない概念を持ってきたそうなんです。いろいろな面で、本当にこの国の政策について、見直さなければならないと思います。そうして、本当にそろそろみんな目覚めなければ、いつまでたっても日本人は幸せに生きれないとそう思います。最近になって、「未妊」とか「子供を生まない本当の理由」などのタイトルの本が目に付くようになりました。この本を読んで、またこういった本も読んでみようかなと思います。どうぞこの本を一度お読みになってみてください。非常に考えさせられますよ。また、最近話題の本を何冊か最後に紹介してくれています。なかなか鋭い面白い書評となっています。今後の動向が楽しみです。さて、女性が幸せに生きていける社会というのは本当に、どういった社会であればいいのでしょうね。とっても大きな課題ですね。皆様はどう思われますか?