藤井多恵子とメリークリスマス☆the last Christmas Concert No.30
12月5日、オペラシティリサイタルホールにて藤井多恵子先生のコンサートを聴きました。チケットを手にしてからずっと楽しみにしていたのですが、期待を裏切らない、素晴らしいコンサートでした。先生は御年86才(コンサート中も公言されていたのでここに書いても大丈夫なはず)。前回もそうだったのですが、なぜだか涙がハラハラとこぼれました。お隣にいた田辺いづみさんも号泣でした。全く恐れ入ったのは、ただ曲を並べたのではなく明確なコンセプトに沿って構成されたプログラム。前半は「ダビデの町にイエスは生まれ(クリスマス物語)」と題して、世界各国のクリスマスソングを。聴いたことのないスペインとかメキシコのキャロルが入っていました。そうよね、メキシコだってクリスマスを祝うわよね。さすが先生、グローバル。後半は、先生脚本のオリジナルミュージカルドラマ「ホームカミングクリスマス」10余年の留学から帰国する娘(佐橋美起さん)を待つ母(藤井先生)と父(加賀清孝さん)のお話。9名の女声合唱による賛美歌「もろびとこぞりて」から始まり、セリフを挟みながらミュージカルナンバーなど10曲でした。アンコールには、サプライズで浅草オペラの音楽監督・山田武彦さんが客席から舞台に上がり、藤井先生のソロで「Over the rainbow」を。(全編エレクトーン伴奏のはずなのに、最初から舞台上にスタインウェイが置いてあって、前回のクリスマスコンサートの伴奏者、山田さんがどこかで登場されることはわかっておりました)途中でされた、アメリカにいらっしゃった頃のお話がとても印象に残りました。先生がいらした頃はちょうどアメリカがベトナム戦争をしていて、クリスマスの日だけは休戦したというニュースをご覧になった時のこと。「1日止められるのなら、戦争なんて止めてしまえばいいのに。」そう先生は思われたそうです。「愛に溢れた音楽があれば世界は平和になれる」そう信じられる、心温まる素敵なコンサートでした。「イースターの歌もたくさんあるのよ」と仰っていた先生。来年はイースターコンサートをなさらないかしら。唯一無二の存在。また先生の歌を聴ける日が楽しみです。