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September 18, 2008
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私たちは幸福になりたいと思って生きている。

少なくとも意識の上ではだけれど。。。

しかし、人間の無意識には「幸福の否定」というものがある。

幸福になりたいくせに 本当になってしまうと都合が悪い。。。

どうして都合が悪いのかはわからない。



青木まりこ現象というのを耳にしたことはないだろうか?

本屋や図書館に行くとトイレに行きたくなる人が多いという不思議な現象が人間にはある。

印刷のインクのにおいが腸を刺激するとか 古い本のカビが原因だとかいろいろな説があるが
実はそうではなくて 原因はその人の無意識の中にあるらしい。


本当に心から自分が好きなこと 心から満足すること それがあればもう何もいらないとさえ思えるものから 我々は逃げようとするというのだ。
しかも、驚いたことに本当にその場からいなくなるような行動をとるのだ。

それが顕著にあらわれたのがこの「青木まりこ現象」なのだそうだ。

これは 青木まりこさんという人が「私、本屋さんとか図書館に行くとトイレに行きたくなるのです 何故なんでしょう?」という
質問をしたのが始まりで「私も」「実は私も!」と大勢の人から反響があり その原因を解明しようとかなり大きな論争が起こり、それで「青木まりこ現象」と呼ばれるようになったのだそうだけれど。。。


実は私も本屋さんや図書館に行くとこの現象が起きる(^_^;)

面白そうな本を漠然と探すのでもよいし、すでにもう購入を(借りるのを)決めている本を見つけに行くのでもよいが、とにかく本を物色していると毎回というわけではないが、突然トイレに行きたくなる。


最初は我慢しているが そういう場合に限ってなかなかお目当ての本は見つからない。
ついに我慢しきれなくなって 私は今いる場所を記憶しつつ、トイレを探してその場を去る。


とりあえずトイレに行けば そのあとはゆっくり本を探すという行為を楽しめるのだ。
 
おかげで新しい本屋さんに行くとトイレがあるかどうか必ず最初にチェックする癖がついてしまった。。。
トイレがない本屋さんも多いので そういう本屋には長居はしない。


さて、読みたい本を探すという「今している行動」を中断させ、トイレに行く つまりその場から去らせる行動をとること。

まさにこれは幸福の否定が起きた結果人間が起こす行動そのものなのだそうだ。


本を探すという行為は 読書が好きな人間にとってはとても楽しく嬉しい時間なのだ。

読みたいという思いがあるから探している間はワクワクしているし なかなか見つからない場合はあせってもくるが、逆にそういう場合は見つかった時の喜びは大きい。

だから すぐに見つけてしまう場合よりもお目当ての本がなかなか見つからない場合に この症状は出やすいかもしれない。


本だけに限らず 我々はかなり無意識にこの「幸福の否定」をやらかしているのではないだろうか?


私たちは幸福の否定まではいかなくても 幸福を感じるのをちょっとだけ先延ばしにする癖がある。

たとえば 食事のときに「あとの楽しみに残しておく」という言い訳のもとに一番好きなものから食べないで、どうでもいいようなものから口にする傾向がある人も多い。

また、私の場合読書に夢中になっていて 内容がクライマックスにそろそろさしかかると思われる頃「いいところに行く前にちょっと…」とトイレに行ったり、或いは「クライマックスのお供に」飲もうとコーヒーを入れに行ったりする。

こう考えると、テレビドラマでクライマックス直前に入るコマーシャルというのは この我々の行動をとてもよく考慮してくれているのかもしれない(^_^;)

現にコマーシャルが入らない某放送局や映画館などでは「ああ! いいところなのにトイレに行きたい!」と本当にトイレに駆け込む人もいる。


しかし、食事の場合は 食べてしまえば終わりだし クライマックスも読んで(見て)しまえば終りなので、このささやかな幸福を味わったあとには多かれ少なかれ若干の「祭りの後の寂しさ」みたいなものもくる。

次にその幸福感に出会うまで また我々は延々と待たなければならない。。。

ゆえに この先延ばしのモチベーションは納得がいく。


しかし、本屋の場合 明らかに購入すればそれを読めるという幸福があるわけなので 見つけてしまったあとの失望感というのはないはず。
なぜこのトイレに行きたくてたまらなくなるくらいの不快感を身体に感じさせてまで この幸福な時間を中断するのかわからない。

なぜだろう?なぜかしら?

長くなったのでこの続きはまた次回に書きたいと思います。





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Last updated  September 18, 2008 11:05:28 AM
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