バグダッドカフェ
当事、マスコミでやたらともてはやされた映画。監督も主演も誰も無名の人なのに何で?と疑問はもっても、あらすじをよんでも特に引き付けられなくてこの映画を見ることはなかった。それが、最近有名な古い映画を見ようと思うようになった。「アンタッチャブル」「善き人の為のソナタ」「スティング」みんな苦手なタイプながら、これだけ高評価なのだからと見るとやはりおもしろかった。そしてこの映画もおもしろかった。いわゆる日常系というタイプのとくに大きな起承転結がないタイプドイツ映画で私のお気に入り「ソウルキッチン」に似ている。悪い人が出てこない。みんな、その店でまったり自分の家みたいに寛いでいる。女主人、前半はいつも誰かを注意するのに大声で怒鳴っている。ドイツからの客、ジャスミンは人が好き。女主人の息子の私生児の赤ちゃんをまるで母親の表情で面倒を見る。女主人の娘がジャスミンの部屋を掃除していて、洋服をだして着ているのをジャスミンは見咎める。けれどゆるして友達になる。いつしかジャスミンの部屋には女主人の子供達が ピアノ持参で、赤ちゃんまで寛いでいる。この女主人もみんなを寛がせるタイプなのかも。店は常連がいつもいる。ブーメラン飛ばしの青年、いつのまにか常連で子供達とブーメランに絵の具で染色している。先住民のマスターもいい。寡黙で優しい目でみんなを見ている。残念なのは、長居していたタトゥー彫りの若い女性、終盤出ていく。女主人が意外そうに「みんな家族同然とおもっていたのに」と残念がった。でもこの女性の気持ちなんとなく理解できる。女同士としてジャスミンとは相容れなくて、なんとなく居場所が無くなったと感じたのだろう。気になった場面。客の一人が別の客に鞄を開けられて財布を出して「日本製か」と鼻で笑われるシーン。作成された年代だったら、もう、日本製品はしっかりした製品だったはず。もしかして時代設定は1960年代以前?確かにジャスミンのサザエさんみたいなヘアスタイルはクラシックだったけど。