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カテゴリ:原発
大阪の橋下知事が脱原発構想を打ち出した。関西圏の電力需要のためにこれ以上福井県に原発という重荷を背負ってもらうのはやめようと言っている。
一見福井県にとってはありがたいことのように思うが、福井県の西川知事は橋下知事の発言を快く思っていないらしい。さらには原発を抱える敦賀市長や美浜町長までもが、橋下知事の脱原発発言に反発しているという。 何十年も多くの原発を抱えている福井県では、経済の多くの部分を原発に依存してしまっているという現実がある。原発立地県は多かれ少なかれ、札束で頬をなでられてこれまで危険な原発を受け入れてきた。原発が無くなってしまえば多くの県民が職を失うかもしれない。浜岡原発でもそのことが危惧されている。 西川知事にしてみれば、危なっかしいもんじゅや美浜原発を抱えてヤキモキしながら何とかここまでやってきたのに、肝腎の電力の受け取り手である大阪から一方的に「もういらんわ。あんたらこれ以上がまんせんでもええで。」と言われては面白く無いのだろう。福井県民の安全を守るべき西川さんよりも先に、橋下知事に脱原発を打ち出されたら、西川さんのメンツが立たないということもあるだろうし(メンツなんかどうでもいいけど)。「そんな簡単にやめれるほど原発問題は単純なものとちがう。今までさんざん恩恵を被っておいて、若造が何を言う」と言った感じだろうか。 結局行き着くところ「今いきなり原発が無くなったら、経済的にやっていけない」というのが本音かもしれない。 しかし今回の福島原発の事故で、原発に頼った地域経済振興など、いかに砂上の楼閣であるかがハッキリ示されたといえる。やっぱりうまい話にはウラがあったのだ。「絶対に安全と」言われた原発が事故を起こせば、地域振興どころか地域が消滅する。 福井県知事も敦賀市長も美浜町長もそのことはわかったはずだ。それでもまだ原発の経済効果に頼ろうというのだろうか? 電力消費者側からの脱原発宣言は、ある意味立地県民からの脱原発宣言よりも意義が大きい。使う側から「いらない」と言われれば、原発を作る理由は全く無くなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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