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カテゴリ:原発
福井県は日本で一番原発が多い県だが、原発のある嶺南地域と比較的都市部が集まる嶺北地域とではまるで別の県のような感覚である。南北に細長く伸びている県という地理的条件にもよるのだろう。
私も含めて嶺北に住む人間にとっては、原発はどこかひとごとのような感覚で語られることが多く、原発立地地域の地元の感覚というのが今ひとつわからなかったのだが、今回の原発事故を機に徐々にわかってきた。 地元の意見は一言でいえば、「放射能汚染で自分たちの土地が子々孫々まで住めなくなるのは困るが、原発が無くなって今食えなくなるのはもっと困る」ということのようだ。 今日の菅総理の退陣表明に対する福井県知事や敦賀市長の感想は、震災後脱原発と言い出し、浜岡原発を停止させたりしたことへの菅総理への不満が露骨に出ており、もっとさっさと辞めるべきだったという論調だった。 先日、小浜市が提出した脱原発の意見書が、嶺南市町議長会で否決されている。 新聞記事から抜粋すると意見書の内容は以下のようである。 =小浜市議会が提出した脱原発の議案は、▽国が期限を定めて原子力発電から脱却する▽運転開始から30年を超す原発の運転延長を認めない――など4項目。池尾正彦同議長は「小浜市民の目前に大飯原発がある。雇用や経済を考える前に、住民の生命や古里を守りたい」と趣旨説明した。= 小浜市は嶺南にあって原発の立地を容認しなかった市だが、せまい嶺南で事故が起これば確実にとばっちりを食らう。 この意見書に対して、原発が立地する高浜町やおおい町などの議員が猛反発したそうである。 おおい町会議員の一人などは、「原発立地に誇りをもっているのをバカにされたようだ」と述べている。 「原発立地に誇りを持っている」とはどういうことなのか理解に苦しむ。 「どこもイヤがって引き受けなかったお荷物を、義侠心から預かってやっている」といった感覚なのだろうか?ならば原発交付金など受け取るべきでは無いだろう。 原発立地自治体だけが原発にしがみついていている奇妙な現象・・・ おりしも 先日の毎日新聞では、原発立地市町村がいかに原発マネーに頼ってしまっているかが明らかにされていた。結局金縛りなのだ。 高浜町、おおい町、敦賀市あたりの首長は、ゴーストタウン化した福島原発の周辺地域を一度視察に行ってくればいいだろう。 狭い日本で次の原発事故が起これば、もう世界から孤立し衰亡するよ本当に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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