求聞持法
山中に篭もり、虚空像菩薩の真言(ノウボウ アキャシャ ギャラバヤ オン アリ キャマリ ボリ ソワカ)を百万遍唱えれば一切の経典の意味が心の中にはいり、その智恵を得ることができる求聞持法(ぐもんじほう)という教えを聞き、空海は大学を中途退学し、太龍の岳や室戸岬に篭もりました。太龍の岳は四国の深い山の中にあります。捨心岳からは淡路島本州を望める高台であり、室戸岬は太平洋の怒涛の激しい絶勝の地です。空海は、ここで求聞持法を行い、自然の中に宇宙の生命と交流し、大日如来と入我我入し、仏教の真髄を極めようとしたのです。百万遍を百日間で唱えるとすると一日、一座一万遍唱えます。一座終わるには個人差が有りますが五~六時間程かかります。この修行を無事に終えると、一度目にした光景は細部まで鮮明に記憶できる無限の記憶力が身につき、聞いた言葉は一言一句 間違いなく再生できます。つまり、人間の持つあらゆる能力が開花するのです。空海はこれを成し遂げ、大天才となりました。求聞持法は脳を活性化する秘法です。