布教の決意
仏陀は当初、自分の悟りは非常に難解で微妙だから、人々には説かないつもりでした。しかし仏陀は、そのまま七週間四十九日にわたって瞑想し、その結論を四諦、八正道というわかりやすい結論にまとめると、人に説くことはじめようと考えました。たとえば蓮の花には、水中に沈んでいるものもあるし、水面に出ているものもあるように、教を聞けば、きっとこの悟りを理解して悟る人もいるだろうと、思い直したのです。仏陀はまず、かつての師匠アーラーラやウッダカに説こうと思いました。彼らなら、悟りを理解してくれるだろうと思ったのです。しかしそのとき、すでに二人は世を去っていました。そこで今度は、修行仲間だった五人に説こうと思いました。仏陀は布教の決意を固め、彼ら五人のいるカーシ国のベナレスに向かいました。