夢ではない反重力装置?
以前の日記でなかば与太話として反重力の話題を取り上げたことがありましたが、これに関しては可能性について真面目に取り組みはじめているところも少なからずあるようなので、アメリカのニュースから紹介します。もちろん、未だに権威のある物理学者たちのほとんどは反重力装置については冷笑的ではありますが、真剣にこれについて検討を行っているグループの結論としては、どうもこれはあながち絵空事ではないようだ、という認識になるようです。たとえばアメリカの大手の航空機製造会社のボーイング社などは反重力装置の開発にいたく興味を示しています。この根拠は一人のロシア人の科学者、エブゲニー・ポツレトノフの主張によります。彼は超電導物質の専門家で、フィンランドのタンペレ工科大学で自身の研究室で専門の超伝導物質の実験を行っているときに偶然発見した現象を反重力の証明と考えているのです。ポツレトノフが行った実験はイットリウム-バリウム-銅酸化物の超伝導体の円板を窒素蒸気の中で零下233度まで冷却します。円板は磁場の中に浮かび、最終的に毎分5000回転の速さで回転します。彼はこのとき円板の上にある物質がおよそ1%その重量を失うという事実を発見したというのです。この実験を再現して確認したものは未だにいないのですが・・。それでも、いくつかの組織が彼の実験に興味を抱き、特にNASAはオハイオのコロンバス超伝導部品にポツレトノフの装置を製作させるために60万ドルを拠出しています。NASAの関係者によると、2002年の9月には装置の試験を始められるだろうと語っています。興味深いのは、これに先立ってハンツビルのアラバマ大学のニン・リーが独自に1989年にポツレトノフの現象を予見していたということです。リーの理論はこうです。もし時間的に変化する磁場が超伝導物質に作用すると、超電導物質中の荷電して変形した格子イオン構造が大量のエネルギーを吸収するというものです。そしてこれが平衡を維持できるような位置で格子イオンを高速で回転させごくわずかな重力場を発生させるというわけです。リーはこの理論によって、荷電した回転する格子イオンが強力な磁場の中で互い違いに整列されると、局所的に計測可能な重力場ができるはずだと述べています。これに続いて、2002年の初頭にはバークレーのカリフォルニア大学の物理学の権威、レイモンド・チャオは超伝導と重力に関する理論を発表しました。彼によると、電磁波と超伝導体を衝突させると重力波が発生すると予測して、現在精力的に実験を行っています。それにしても、アインシュタインが存在を予言しながら今まで誰も観測をなし得なかった重力波が人工的な装置で発生できるとすれば画期的なことです。現在、空を飛ぶ乗り物としての航空機は空気の浮力を利用した、ある意味では不安定な浮揚技術といえます。気流そのものの動きに大きく影響を受けますし、操縦技術も高度なものが要求されます。だいたいあのような重量物が空を飛んでいるというのは感覚的に受け入れ難いという気もしますし。(これは私の個人的見解です!)最近は特に航空機事故が目立ちますし、いったん事故が起こればほとんど悲惨な結末になってしまうのも事実です。もし反重力装置なる夢の技術が完成し、航空機などに応用できれば、従来の航空技術と組み合わせてより安全で快適な乗り物ができるかもしれませんね。それにジェットエンジンのフライトで消費される酸素の量は半端ではありませんので、資源の節約にも大きく貢献できることと思います。