ブログ三面記事

パチンコ機の画面に自分によく似た絵を使われたどうしますか？
喜んじゃう？

歌手の矢沢栄吉さんがパチンコ機製造メーカ「平和」を相手に謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が14日東京地裁でありました。

矢沢栄吉さんの主張は
「自分の肖像から生じる経済的利益を独占できるパブリシティー権を侵害された。」というもの。

判決は
「ある程度、矢沢さんを想起させる絵だが、本人と識別できるほど似ていない。法的救済が必要な人格的利益は侵害していない。」
として、請求を棄却。
パチンコ点を経営する23社への同機使用差し止め請求も棄却しました。

矢沢さんは
「控訴すれば別の判決が出るかもしれないけど、かったるいからやめます」
だそうです。

人の写真には肖像権があります。
CMや製品に有名人の顔写真を勝手に使用することはできません。

ところが法律があると、必ずその条文をギリギリでクリヤーして実質的な効果を得ようとする者が出てきます。写真じゃなくて絵なら微妙です。

だから条文を作らず、判例を積み重ねることによって形式ではなく実のある法律を作ろうという、判例法という考え方もあり、実際にそれを適用している国もあります。

たまたま絵が似てしまうこともあるかもしれません。そういう場合まで阻止すると、安心して製品に絵も描けないことになってしまいます。

しかし、今回は判決に「ある程度、矢沢さんを想起させる絵だが、、、」と判事でさえ、似てると判断したことを考えると、すれすれをねらったメーカー側の狡猾さを感じざるをえません。