テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★
今週の「おやすみ用BGM」として、ゴルソンのこの作品を流していた。音量を絞って流していると、ゴルソン・ハーモニーが心地よく眠りに誘ってくれる。1曲目の"Staccato Swing"は曲がカッコいいのとゴルソンがゴリゴリ吹いていることで、ついつい聞き入ってしまうが、いつも途中でいつの間にか眠ってしまうようだ。それでも、お目当ての"Autumn Leaves"レイ・ブライアントのソロまでは頑張って起きていたい。何せ、この部分がこのCDの一番美味しいところだからだ。
猫麻呂にとってのレイ・ブライアントのツボは、プレスティッジのトリオ盤の1曲目"Golden Earings"の、何とも言えない「奥ゆかしさ」。本当は今にも泣き出しそうな気分なのに、昂る感情を押し殺して何事もなかったように努めている姿をみるような、そんな日本的な情緒がグッとくるのだ。恐らくアメリカ人のレイ・ブライアント本人はそんな日本的な情緒を意識したつもりはないのだろうが、にじみ出るような四畳半的なウェット感が胸キュンものなのである。 四畳半的といえば、テナーサックスとトロンボーンの2管でのハーモニーは四畳半に似合うコタツみたいなものかもしれない。ドン臭いけど和んでしまうのだ。これにトランペットが入ると、「和み度」が低くなる。例えば、アート・ファーマーが入ると(ジャズテットですね)「石油ストーブ」。お餅をや焼き芋なんか焼いたりして、まだ「和み度」が感じられる。リー・モーガンが入ると(ジャズ・メッセンジャーズでありそうでなさそうな取り合わせ)焼肉屋のロースターだろう。和みというよりは、ビールとカルビのメタボリックなハーモニーとなる。 さっきから余計な戯言ばかりで大切な演奏についてほとんど何も書いていないが、1曲目と2曲目以外は何故か印象が薄いのだ。良いとか悪いという話ではなく、どうやら意識が3曲目以降で眠ってしまうようなのだ。ゴルソンのオリジナルが中心だが、"Whisper Not"や"I Remember Clifford"クラスの耳に残る曲はなく、気が付くと終わっているのである。こんなのでは、ディスクレビューでも何でもないなー、と反省しつつ、何度聴いても不思議と印象が残らない。ひょっとすると、ゴルソンが「おやすみ用BGM」として意識的に作ったのだろうか・・・? 猫麻呂ポイント:★★★★(4.0) Benny Golson / Gone with Golson (NewJazz) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月04日 14時28分56秒
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