Serendipity

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  『きっと明日は　雪子、20年の闘病記』を読んで

  ​​皆様、新年あけましておめでとうございます！今年もよろしくお願いいたします。（…本当は昨年12月にも、ちゃんと1年の締めくくりとなるような記事を書きたかったのですが、いろいろな出来事が重なってバタバタしており、結局今日までブログが書けませんでした。もし楽しみにしてくださっていた方がいらしたら、しばらくご無沙汰してしまい申し訳ありませんでした。）・・・・・・本日は2019年の1本目の記事ですので、以前から書きたいと思っていた、ある本のレビューをしたいと思います。『きっと明日は』という本です。きっと明日は 雪子、20年の闘病記 （ポプラ・ノンフィクション） [ 江崎雪子 ]価格：1080円（税込、送料無料) (2019/1/5時点)楽天で購入重症筋無力症にたおれ２０年、絶望の淵より自らの強い意志と家族の愛、友情で立ちなおり、童話作家となるまでの日々を綴る感動の記録。発売年月 1989年11月ISBN 978-4-591-03360-9サイズ 205mm x 155mmページ数 168ページ主な対象年齢・学年 小5　小6　​1989年に出版された本なので、今から30年前の本なんです。…実はわたくし、この本には深い縁がありまして…この本は、私が小学6年生だった1990年当時、青少年読書感想文の課題図書だったのです。私は夏休みにこの本を読み、宿題だった読書感想文を提出しました。…すると。私の読書感想文は意外なほどに高く評価していただけたらしく…まずは小学校の代表に選ばれ、市の選考を経て、なんと最終的に県から表彰状をいただいてしまったのでした。たぶん私が県から表彰をされるのは、あれが最初で最後でしょう…。うん。…まあもしかしたら、銀行のＡＴＭで振り込め詐欺にだまされそうになっているような老人を助けたりすることができたら、2度目の表彰のチャンスもあるかもしれませんが…。まあ…。・・・・・・さて、話を本題に戻したいと思います。この本の作者は江崎雪子さんという方で、私の両親と同世代の方です（1950年静岡県生まれ）。江崎さんはもともと健康そのものの活発な女の子だったのですが、高校3年生頃から、不可思議な体調不良に悩まされるようになります。そして、日本女子大在学中の大学2年生のときついに、「重症筋無力症」という大変重い病気にかかっていたことが判明するのです。そして、この『きっと明日は』という本は、重症筋無力症と闘ってきた20年の日々をご本人がつづった闘病記なのです。・・・・・・大学生にして重症筋無力症という診断を受けた江崎さん。その筋力は極度に衰えてしまい、自分の力では歩くこともかなわず、ベッドに横たわることしかできないような闘病生活を送ることとなります。一時は呼吸すら自分の力で行うことができなくなり、生命の危機に見舞われる日々が続いた時期もあったそうです。江崎さんがこの本でつづられているその闘病の日々は、本を読ませていただいているだけの私ですら、本当に胸が張り裂けそうになるほど苦しくつらいものでした。・・・・・・闘病のあまりの過酷さに、睡眠薬で自殺を図ろうとした江崎さんでしたが、一命を取り留めます。「また生きてしまった」と苦しむ江崎さんのもとに、お友だちから手紙が届いたそうです。そしてその手紙には、お友だちのお母様のこんな言葉が書かれていたのだそうです。​​”神さまが人間におあたえになっている幸福の量って、おそろしいほど平等なのよ”文字を目にしたとたん、（そんなことないわ！）と、私は手紙をにぎりしめました。健康で未来にたくさんの可能性をもっているひとと、ますますぐあいが悪くなりからだが不自由になっていく私と、どうして神さまから平等に幸福を与えられているといえるのでしょう！​​・・・・・・この本には、江崎さんの日記が多く引用されています。そこには、健康なひとへの嫉妬心に苦しむ気持ちや、きょうだいや友だちが結婚していくことへの寂しさ、実ることのなかった旧友への淡い恋心などが、包み隠さず書かれていました。改善する兆しのない極めて難しい病気のために何年間も病院のベッドに縛り付けられて過ごすなか、周囲の同世代の人たちの人生がどんどん先へ先へと進んでいく様子をただただ眺めることしかできなかった江崎さん。どれだけつらかったことでしょう。・・・・・・でもある日、江崎さんに転機が訪れます。その日、知り合いの人がひょっこりお見舞いに来ると、その人は「退屈で死にそう」…などとさんざん愚痴をこぼしてから、「つまんないから、買いものの帰りに映画でもみてくるわ」と言い残して病室をあとにしたのだそうです。江崎さんは、病院から出ることすらかなわない自分と比べれば、ずいぶん恵まれているように見える彼女なのに、彼女が幸せそうではなかったことに気付きます。そして、江崎さんは自らの闘病生活を振り返ります。そこには、何度も生死の境を行き来して、そのたびに何とか立ち上がり、あかちゃんのようにひとつひとつ、自分の力でできることを増やしていく喜びがあったこと…そのことに気付くことができた江崎さんがいたのでした。​私は現在も筋力がおとろえており、すぐつかれてしまいます。長い時間うごいたり、話したりすることはできません。でも健康な時には感じなかった喜びを感じられるようになりました。健康だったときにはみすごしてしまっていた小さなことにも、しんせんなおどろきと幸福を感じながら生きています。（長く暗い道をとおってきたから、私は暗闇を知らなかった以前より、光を明るく感じることができる。そして、その光をたいせつにおもえる。（友だちの）お母さんがおしえてくださろうとしたのは、このことじゃないのかしら？）​江崎さんはさらに、弟の進さんと話していたとき、幸福というものについてこのような結論に至るのです。​​あたえられた運命は、ひとそれぞれにちがっている。たくさんのものをあたえられた人生と、すくないものしかあたえられていない人生とあっても、幸福の量がそれに比例するかというとけっしてそうではないのだ。その運命をどううけとめて、どう生きていくかによって、幸福の量に差がうまれるのだ。そうなのだ。幸福とは、人の心がうみだしていくものなのだ。​​・・・・・そしてここから、江崎さんの人生の快進撃が始まります。長い入院生活ののち、病状が上向き退院することができた江崎さんは、お父様の知り合いの作家の先生に弟子入りし、童話作家を目指すことになるのです。そして、数年間の修業を経たのち、ついに一冊の童話が出版されることになります。『こねこムーのおくりもの』という作品です。こねこムーのおくりもの （ポプラ社の小さな童話） [ 江崎雪子 ]価格：972円（税込、送料無料) (2019/1/5時点)楽天で購入にぎやかなデパートから廃棄され、公園にぽつんと置かれてしまった木馬とこねこの物語。この童話は、『きっと明日は』で江崎さんの闘病生活を知った私が大人の視点から読むと、木馬が感じる寂しさや悲しみに江崎さんの人生が反映されているように思え、切なくてなりませんでした。けれども、この童話が描かれた対象である子どもたちの反応は違ったようで…この作品は人気を博し、何冊もの続編が描かれるヒットシリーズとなったのだそうです！・・・・・・『きっと明日は』の終盤、江崎さんはお医者様と交わした会話のエピソードに触れられています。​​「江崎さん、自分がいちばん不幸だなんておもってはいけないよ」もちろんそんなことを思っていなかった私は、すぐうなずきました。「それから、将来を期待してはいけないよ。期待しすぎると、外れたとき苦しむからね」心配してくださる先生のお気持ちをありがたくおもいながらも、そのお言葉には胸のなかで首を大きくよこにふりました。私は、明日に期待せずにはいられません。やぶれたとき苦しむから期待はしない、という生き方はできないのです。私は明日に希望をいだき期待をします。期待はずれに苦しんだとしても、またつぎのあたらしい明日に希望と期待をかけるでしょう。私はいつも、おもうのです。まがりかどのむこうには、どんなすてきな”明日”がまっているのかしらと。だって人生は、ほんとうにおもいがけないことのかさなりあいなのですから。十年前、退院のみこみもたたず病院にいた私は、将来、童話を書くようになろうとは想像もできませんでした。次の十年後にどんなすてきな人生がひらかれていくか、それはだれにもわからないことなのです。だから重症筋無力症が私の運命だとしても絶望せず、そのすてきな明日をつかまえるためにも、まがりかどのこちら側でよりよい今日をきずいていく努力をつづけたいのです。​​・・・・・・…実は、小学6年生だった頃の私が、いったいどんな読書感想文を書き、なぜそれが県から表彰までしていただけたのか…それについては恥ずかしながらほとんど覚えていないんです。でも、ひとつだけ覚えていることがあって…私は、正確に同じ文章ではないとは思うのですが、このようなことを書いてその作文を終えたのです。​​これからの人生で何かつらいことがあったとしても、「きっと明日は」と思い、明日を信じて頑張っていきたい。​​…と。・・・・・・私にとって、昨年2018年は、本当に呪われているんじゃないかと思うほどつらく大変な1年間でした。江崎さんほど過酷な闘病生活ではありませんでしたが、私にも20代からずっと治療を続けている病気があります。それが少し悪い方に傾いてしまったところに、緑内障という失明のリスクがある病気にかかっていることがわかりました。今は日常生活に支障がないほどに見えているこの目ですが、いつか遠い未来、ついに見えなくなってしまうときが来るのだろうか…そう思うと怖くて、悔しくて、悲しくてなりません。それに、体調が悪いときなどにはびっくりするぐらいひどい見え方をすることもあって…。そんなことも含め総合的に考えると、ずっと情熱を捧げてきた翻訳の仕事とももうじきお別れせねばならないときがくるだろうと思っています。また、もともと治療を続けている病気の方のお薬を飲んでいるところに緑内障の目薬までもが加わってしまい…どちらのお薬も胎児に悪影響を与える可能性が高い薬なので、もう出産も無理なんだなあ…と思ったのでした。（…まあこれはそもそもお相手もいないし、年齢も年齢だから、いずれにせよそういうことになるかもしれないなあとは思っていたのですが…。）40歳にして仕事も仕切り直し…その上きっと、子どもも産めないんだなあ…。あーあ。…それに加えて、家族の病気とか…大切な友だちの病気とか…なんだかもう…うわーっ！！…という感じの1年でした。・・・・・・そんなときに思い出したのが、遠い昔に読んだ『きっと明日は』というこの本だったのでした。あの頃の私は、まだ何にも知らなくて、未来の可能性は限りなく広く大きくて。そんな私が発した、​​これからの人生で何かつらいことがあったとしても、「きっと明日は」と思い、明日を信じて頑張っていきたい。​​ということば…。大人になった今の私には、これまでたくさんのつらいことがあって、いまや未来の可能性は限りなく狭く小さく思えてしまっていました。…でも、子どもだったあの頃の自分が記した言葉が、なんだか今の自分を励ましてくれているような気もするのです。人生ってつらいことがたくさんある。でも、「きっと明日は…」と考え、未来を信じて歩んでいかないと、と。そして、私も江崎さんを見習って、「人より小さいかもしれないけれど、自分だけに与えられた幸福」を感じ取る力を持たないと、と。・・・・・・だからやっぱり、この先何があっても希望を捨てずに。そして、自分らしい幸福に気付き、それを大切に思えるように。…そんな気持ちで、この新しい１年を過ごしていきたいと思っています！​・・・・・・【追記：江崎雪子さんのその後】​赤いノートの絆―江崎雪子さんを偲ぶ​江崎さんは2000年代中頃に、卵巣がんでお亡くなりになられていたそうです。結果として江崎さんの命を奪ったのは、重症筋無力症ではない別の病気でした。いくつもの病気が重なり、本当につらく過酷な人生だったことと思いますが、私は江崎さんを尊敬しています。なぜなら、江崎さんは重症筋無力症には負けなかったのだから。江崎さんは、若い頃からこんなにもご自分を苦しめてきた病気には負けずに生き抜いてこられ、そして読者にこんなにも大きな希望を与えてくださった。本当に強い方だったのだと思います。江崎雪子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。​にほんブログ村のランキングに参加しております。　今回の記事を気に入っていただけましたら、応援のクリックをお願いいたします！

  2019.01.06

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  ブックレビュー：『最速で出会いが増える顔になる』高橋あい（著）

  ​​​​​​​​​​突然ですが。『最速で出会いが増える顔になる [ 高橋 あい ]』という本を読みました。著者は高橋あいさんという恋愛コンサルタントの方で、20代前半で結婚・出産するも離婚。その後10年間のシングルマザー生活を経て再婚され、36歳で第２子をもうけられたという方です。・・・・・・ちまたには、精神論からはじまり、引きよせ系やらスピリチュアル系やらいろいろな恋愛指南本がありますが、この本のコンセプトはいたってシンプル。ずばり、「見た目を変えて出会いを手に入れる方法」を指南している本です。著者曰く、結局のところ、最速で恋愛をスタートするには見た目が10割とのこと。それもなんだかなあ…という思いもあるにはあるのですが、確かに「最速で」誰かの心をつかむには、見た目を相手好みにするのが一番手っ取り早いような気もします。もし仮に「ゆっくり」でもいいのであれば、内面を理解してもらったうえで好きになってもらうのが理想的なのでしょうが…「最速で出会う」ことを狙うのであれば、やはりルックスは大事なんだろうなあと思います。それだけに、読者のターゲット層も、出会いや結婚を急いでいるであろう30代後半ぐらいの女性を意識して書かれているように思いました。・・・・・・本書は主に５つのパートから構成されています。メイク・ヘアスタイル・服装・話し方・心構え…といった各テーマについて、合計60個の実践的なアドバイスが提案されています。興味のあるところだけパラパラと拾い読みしてもおもしろいですし、1項目につき2・3ページで手短にまとまっているため、最初から最後までとおして読んでもあまり時間がかからず、負担なく楽しめました。・・・・・・書かれているアドバイス内容はとても堅実な印象でした。メイク・ヘアスタイル・服装のどれにおいても、簡単には取り入れられないようなバカ高い商品を勧めるようなこともなく、たいていの人が取り入れることができそうな親しみやすい提案が多いです。また、著者のアドバイスを取り入れれば、男性ばかりでなく、老若男女すべての人に対し、好感度の高い女性になれるのではないかと思います。・・・・・・とはいうものの、「うーん…これはかなり難易度が高いぞ」と思ったところもありました。それは、「男の目が変わる、究極のモテポーズ」というもので。​相手の目を見つめながら、両手を自分のアゴのあたりで合わせて「いただきます」のようなしぐさを。​とのことなのですが…。…なんか、ぶりっ子っぽい。これはちょっと恥ずかしくてできないかも…。と、思いました。・・・・・・しかしながら…昨夜のお風呂上がりのこと。鏡の前でお肌を整えながら、本で読んだばかりのあの「究極のモテポーズ」のことが頭に浮かびました。ほんとーに、そんなにかわいく見えるんだろうか…？…と。そして…。鏡の前でひっそりと、そのポーズをやってみました。鏡の中をのぞきこむと、そこには両手をアゴのあたりで合わせて「いただきます」のようなしぐさをしようとする私の姿があるにはあったのですが。…ああ、なんというか。わたしがやると、テツandトモさんの、「なんでだろう」にしか見えない…。ああ、ほんとに…なんでだろう？​​​​​​​​​​

  2018.10.26

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  The grass is greener. ―『離婚してもいいですか？』を読んで

  ​​​​​​​​前回の日記では、雑誌『リンネル』のインタビュー記事で、作家の村田沙耶香さんが口にされていた「幸せのモデルケース」という言葉について考えました。村田さんによると、近頃世間には「多様性」を大事にしようという風潮があるけれども、人びとの本音には「幸せのモデルケース」のようなものがあるような気がしているそうです。そして村田さんは、本来は生きているということだけでも奇跡のようなことなのだから、「幸せのモデルケース」にとらわれず、人生を、自分が一番好きなことや楽しいと思えることを大切にしながら、自分の意志で生きてほしい…というようなことをおっしゃられていました。…そう言われてみれば、私自身にも、自分の心の中に育んできた「幸せのモデルケース」のようなものがあって。それは、”結婚して、夫と子供がいて、なおかつやりがいのある仕事を持ち、公私ともに輝いているヒト”みたいな感じだよなあ…ということに気付きました。・・・・・・英語のことわざに、The grass is greener.というものがあります。その他にもalwaysを加えてThe grass is always greener.としたり、The grass is always greener on the other side.とか、The grass is always greener on the other side of the fence.としたり…いろいろな言い方があるのですが、いずれにせよ、意味としては日本語の「隣の芝は青い。」にあたります。​隣の芝は青い読み方：となりのしばはあおい自分のものより、他人のもののほうが良く見えるということを意味する表現。より一般的には「隣の芝生は青い」という。＊​Weblio辞書​より引用しました。​そうそう、他の人が持っているものって、自分が持っているものよりもよく見えたりしちゃいますよねぇ。・・・・・・と、そんなことを考えていた頃、私は読み忘れていたある一冊の本を本棚から取り出して読み始めました。野原広子さんの『離婚してもいいですか？翔子の場合』というコミックエッセイです。内容を簡単にまとめますと…主人公の翔子は平凡な専業主婦。家事と2人子どもの育児に毎日がんばっているのですが、夫はそんな翔子のことを認めてくれません。家庭ではいつもいばっていて、翔子が専業主婦であることがなんだか気に入らない様子。家事にも育児にもまったく協力してくれず、翔子にはいじわるなことばかり言います。＊こちらのサイトで、12話まで無料で読めます！（「コミックエッセイ劇場」へのリンクです。）↓↓↓​離婚してもいいですか？翔子の場合​・・・・・・＊＊＊ここから先は、このお話のネタバレがかなり入りますので、この先の展開や物語の結末を知りたくない方は読まないでいただけたらと思います。＊＊＊さて、そんな夫に耐え続けていた翔子でしたが、ある日ついに心を病んでしまいます。病院で診察を受けた翔子は、自分が自分の感情を表に出さず我慢ばかりしてしまうのは、実は自分を抑圧的に育てた父親が原因なのではないかということに気付きます。その一方で、ついに現実的に離婚を考え始めた翔子は、シングルマザーとして生きていくための経済力を得るため、慣れない介護の仕事を始めます。仕事は辛いことも多かったけれど、シングルマザーとして働いている人も多くいることを知ったり、資格を取ったりして、翔子はだんだん自信を持ち始めます。その後、夫の浮気疑惑がきっかけで家出をしたり、夫や自分の父親に初めて自分の怒りをぶつけたりして、翔子は少しずつ解放されていくかのように見えたのですが…物語の終盤で翔子が下した決断は…しばらくは離婚せずに夫と暮らしてみる、というものでした。離婚は経済的にまだ無理だろうというのが、その主な理由でした。夫の方はどうかというと、仕事を始めて自信をつけ、自分の感情を素直に表現できるようになった翔子の変化に驚き、以前よりも優しく、家事にも協力的になるのですが…翔子はあいかわらず、夫のことが嫌いなのです。それでも、妥協して一緒に暮らしていくのです。それが、この物語の結末です。・・・・・・この物語のラストシーンで、翔子たち一家は公園に遊びに行きます。みんなでアイスを買って、傍目には和気あいあいと過ごすのですが…。翔子の本音はというと、夫に「一口ちょうだい」と言われて自分のアイスを食べさせてあげるのですが、夫が口をつけたそのアイスを、もう自分は食べたくないと思うほどに、夫のことが嫌いなのです。そんなとき、翔子はその公園にもう一組の家族連れがいることに気付きます。優しそうなパパと、幸せそうな奥さんと、かわいい子どもの姿…。​幸せそううらやましいなんてうらやましいんだろう​翔子はそう思うのですが、それと同時にふと、気付くのです。​​でもあの奥さんも私たちを見てそう思ってたりして​​・・・・・・この物語を読んで、なんというか、目が覚めたような気がしました。衝撃的な作品でした。私は心の奥底で、「優しくて素敵な男性に出会えればなあ」とか、「結婚していればなあ」とか、「子どもがいる人がうらやましいなあ」とか…自分が持っていないものばかりを数え上げ、追い求めていたような気がします。でも、恋人ができれば、結婚すれば、子どもが持てれば幸せになれる…なんてそんなの、ただの幻想にすぎないのかもしれないなあと思ったのです。もちろん、恋人ができたり、結婚したり、子どもを産むことができたりすれば、幸せなこともたくさんあるんだろうけど…でも、幸せを得るのと同時に、新たな困難や苦しみも生じるわけなんですよね。その困難や苦しみのレベルは人によって違うのだろうとは思いますが、なかには翔子のように激しく苦しむ人もいるわけで…。…ああ。私はただ、隣の家の、青いように…ただひたすらに青く輝いているように見える芝生を、うらやんでいただけなのかなあ、と。なんだかハッとさせられたのでした。・・・・・・だからといって、今のままでいいとは思っていないのですが。それでも、もっと公平な目で、「今の自分でも持っているであろう幸せ」にも気付かねばならないなあと思いました。そして、単に「一般的な人生のモデルコース」を歩んでいくことを目指すのではなくて、自分が幸せになるために本当に必要な人生のコースを見極めて、歩んでいかねばならないなあと思いました。だから、まずは「自分なりの幸せを見つけること」それを目標にし、そしてその目標を忘れずにいたいと思います。（＊今回ご紹介した『離婚してもいいですか？翔子の場合』ですが、実は私は雑誌『レタスクラブ』の付録というかたちで読みました。そのため、完全版である単行本は読んでおりません。完全版には「その後の翔子と夫」などの話も収録されているらしいので、機会があれば読んでみたいと思います。）​​​

  2018.10.14

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  A Walk to Remember (3)

  ​　A Walk to Remember WALK TO REMEMBER [ Nicholas Sparks ]"Do you ever wonder why things have to turn out the way they do? ...... I know the Lord has a plan for us all, but sometimes, I just don't understand what the message can be. Does that ever happen to you?""Well," I said, trying to bluff, "I don't think that we're meant to understand it all the time.  I think that sometimes we just have to have faith." 「ものごとがどうしてそうならざるを得なかったのか、不思議に思ったことはない？（中略）神様には、私たちそれぞれに対する思し召しがあるのよね。それはわかっているんだけど、時々、神様が何を伝えようとされているのかがわからなくなってしまうの。そんなふうになったことってある？」「そうだな」僕はわかったようなふりをして、こう続けた。「人間は、神様の思し召しが何であるのかが、いつでもわかるようにはできていないんだと思う。時には、ただ信じることが必要なんだと思うよ。」＊A Walk to Rememberより引用の上、翻訳しました。A Walk to Rememberについて《ストーリー》A Walk to Rememberは、アメリカのベストセラー作家であるニコラス・スパークスによる、​高校生の男の子Landonと、その同級生であるJamieの恋の物語です。Landonは、これといって取り柄はないものの、町一番のお金持ちの家に生まれ、学校ではそこそこうまく過ごしているごく普通の男の子。友だちには学校の人気者もいて、彼らとつるんで悪ふざけをしたりして過ごしています。一方のJamieは、牧師の家に生まれた心優しい女の子。いつでも人助けに奔走していますが、聖書を片手に地味な格好をして過ごすJamieは、ダサくて変わった女の子として学校のみんなから浮いてしまっています。同じ町で育った顔見知りというだけでなんの共通点もなかった２人でしたが、ひょんなことから、LandonはJamieをダンスパーティーに誘うことになります。JamieはLandonの誘いに応じるのですが、その時、なぜかLandonにこんな条件を出すのです。"You have to promise that you won't fall in love with me."（私を好きにならないって約束してね。）《英語のレベル》Lexile指数: 930　（⇒アメリカの小学校高学年ぐらいから読めるレベル）主人公Landonが読者に語りかける口語調で話が進められていくので、非常に読みやすいです。ところどころに難易度の高い単語も使われていますが、話の筋がわからなくなるほど頻出するわけではないので、たとえわからない単語があったとしてもあまりこだわらず、推測しながら読めばよいでしょう。ちなみに、このようにわからない単語の意味を推測しながら読むのも、洋書を楽しむうえでは大切なコツです。洋書を読む目的は物語を楽しむためですよね。全文を正確に翻訳しなければならないわけではないのですから、一字一句を正確に理解しようとしなくてもよいのです。むしろ、少し離れたところから全体を俯瞰するイメージで、「ストーリーの流れをつかむ」ということを意識して読み進めるようにすると、洋書を楽しむコツがつかめてくるでしょう。《感想》ある出会いや出来事によって、生き方そのものが変わってしまうことがあります。この小説の主人公であるLandonも、Jamieという自分とは異なる感性を持つ女の子の生き方に触れたことで、人間的に一回りも二回りも大きい青年へと成長していくことになります。冒頭の引用部分は、小説後半で交わされる２人のやりとりです。人生には、どうしてつらく悲しい出来事が起きてしまうのか。それはなぜなのか。・・・そういう疑問を抱くJamieに、Landonは半ば思いつきで返事をするのですが、その内容は案外的を射ている気もします。人間は、不意に起きる出来事の理由や意図を知ることはできないものなのかもしれませんが、信じる気持ちを持ち続けることが、その試練を乗り越えるためのカギを握っているのかもしれません。おもしろくて悲しくて、そして心が温かくなる物語です。また、青春時代の不器用だけど純粋な気持ちを思い出させてくれるような一冊だと思います。＊この小説に関する過去の記事​A Walk to Remember (1)​​A Walk to Remember (2)​

  2017.12.29

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  A Walk to Remember (2)

  ​​​​​​​前回の日記に続き、本日もニコラス・スパークスのベストセラー A Walk to Remember についてご紹介したいと思います。今日は、主な登場人物について見てみましょう。まず、ヒロインの Jamie （ジェイミー）について。彼女については、こんな描写がなされています。... Jamie believed it was important to help others, and helping others is exactly what she did. （中略）She was, in other words, the kind of girl who made the rest of us look bad, and whenever she glanced my way, I couldn't help but feel guilty, even though I hadn't done anything wrong. ジェイミーは人助けをすることが大切だと信じていたし、人助けこそまさに彼女がしていたことだった。（中略）つまり、ジェイミーは相対的に僕らのことをかっこわるく見せてしまうような、そんな女の子だった。だから彼女がこちらの方を見るといつでも、僕は何も悪いことなんてしていないのに、罪悪感を感じずにはいられなかった。教会の牧師の娘でお化粧もおしゃれもしない素朴なジェイミーは、聖書を愛し、空き時間は人助けに奔走するまるで天使のような女の子です。主人公の Landon（ランドン）は、率先して善い行いばかりするジェイミーの姿を見ると罪悪感すら感じてしまうようです。一方、主人公の Landon （ランドン）はどんな男の子かというと・・・。I didn't excel at much of anything. Growing despondent, I started listing the things I actually could do, but to be honest, there really wasn't that much. （中略）So there I was, lying in bed all night long, slowly coming to the sinking realization that I was a loser. 僕は何においてもたいして秀でていなかった。しょげかえった僕は、自分が実際にできることをリストアップしてみた。でも正直言って、リストには本当にたいしたことは挙げられなかった。（中略）で、僕は一晩中ベッドに横になり、ゆっくりと、自分が負け犬なんだってことを気が重いながらも自覚したのだった。上記の引用部分は、ランドンがある夜、自らを省みたときの描写です。下院議員を父に持ち、学校で一番のお金持ちの家に生まれたランドンですが、父親は不在がちで、主に母親に育てられます。そのためか、少々悪ガキに育ってしまったと言っています。（といっても、やっていることはたいして罪のない、いたずらレベルのことなのですが・・・。）父親から大学進学に有利になるよう生徒会長に立候補することを勧められたランドンは、最初こそ嫌がるのですが、それをきっかけに、自分には何ができるのか、自分にはどんないいところがあるのかを考えてみます。すると、船のロープの結び方を８種類知っていたり、熱いアスファルトの上を裸足で誰よりも遠くへ歩いたり、指の上で鉛筆を３０秒間立たせたりするようなことはできるけれど・・・他には何もできない取り柄のない自分がいたのです。そんな自分のことを、彼は loser （負け犬）と表現しています。・・・と、こうまとめるとなんだか深刻な感じになってしまうのですが、実際はここはちょっと笑えるシーンでもあります。この後ランドンは心の中で、 Thanks, Dad. （父さん、ありがとう。）と、こんなむなしい事実に気付くきっかけをくれた父に対し、皮肉交じりに礼を言うのです。こんな２人がどうなっていくのか、ご興味あれば、ぜひご一読を！​★​まずは日本語で読みたければこちらです。​​​​​​ただし、これは「超訳」とのことです。★超訳とは：「超訳とは“意訳をより洗練したもの”です」「自然な日本語に訳すことを目指した」ものとして「超訳」が考案された​（“超訳”って一体なんなの？​より引用しました。）

  2017.10.25

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  A Walk to Remember

  ​​First you will smile, and then you will cry - don't say you haven't been warned.最初は笑い、そして泣くことになるでしょう―そんなの聞いてなかったなんて言いっこなしですよ。―　A Walk to Remember プロローグより引用何年も前に読み、その後は本棚にしまってあった一冊の洋書を手に取りました。タイトルは、A Walk to Remember 。ニコラス・スパークスという、アメリカのベストセラー作家の作品です。高校生の男の子が主人公の、悲しいラブストーリー。・・・昔読んだときは、涙が止まりませんでした。本当に目が腫れるレベルで泣きましたので、翌日出かける予定がある方は読まない方がいいかもしれません。けれども、女子必読の一冊だと思います。（＊ストーリーの概要や英語の難易度などについては、読み終えたら追記します。）

  2017.10.24

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  『僕らが毎日やっている最強の読み方』を読みました

  ​池上彰さんと佐藤優さんの『僕らが毎日やっている最強の読み方；新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意』という本を読みました。僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意 [ 池上 彰 ]この本、書店で見かけてすぐに欲しくなり購入しました。結果は、買って大正解！池上さんと佐藤さんの対話形式で話が進められていくので、とても読みやすいです。お二人の、新聞・雑誌・ネット・書籍などを通じた情報収集の方法を、優しく丁寧に、惜しむところなく披露してくださっています。また、たまにお二人の話が脱線することもあり、それもまたおもしろい。お二人の素顔というか、おちゃめな一面を知ることもできました。例えば、池上さんはミステリーがお好きとか、佐藤さんが永作博美さんのファンだった・・・とか。あと、お二人とも女性誌の『CREA』を毎号読まれているらしいのです。「えっ、CREAってそんなすごい雑誌だったのか？！」と、思わず２度見してしまいました。CREA 2017年11月号【電子書籍】・・・・・・ところで、皆さんは毎日、新聞を読んでいますか？私は最近毎日、新聞を読むようにしています。新聞を読むときはできるだけえり好みせず、載っている記事全体に目を通すようにしています。とはいっても、新聞（朝刊）の文字量はおよそ20万文字で、新書に換算すると約2冊分にあたるそうなので、時間的にもやはり全部の記事は読めませんが・・・。そうすると、不思議だなあと思うことがあるんですね。それは、中国の「一帯一路」について解説するようなスケールの大きい記事がある一方で、とある高校の先生がスーパーでの買い物中にテストの答案用紙を盗まれてしまったなどという身近な出来事なんかが、ある朝の同じ紙面に載ったりしていること・・・。世の中には大小の様々な出来事があり、当事者にとってはその大小にかかわらずどれも大変な出来事だとは思うのですが、いかんせん私たちは、そのすべてを知ることはできません。・・・じゃあニュースって、どうやって選ばれて、掲載されているんだろう？私が購読しているのは読売新聞なのですが。結局のところ、読売新聞のフィルターを通して選別された記事を読んでいるということなんだろうなあ。これって、あえて極端な見方をすれば、ちょっと「洗脳」みたいですよね。（まあ、無理やりある思想を押し付けられているのではなく、私自身の選択によって読んでいるのではありますが。）・・・・・・この本の著者の池上さんと佐藤さんは、新聞は２紙以上読むべきだとおっしゃっています。特に、例えば読売と朝日とか、政治論調の異なる組み合わせで読むのがよいようです。そうするだけでも、得られる情報の偏りを少しは減らしてくれるとのこと。・・・・・・たいへん勉強になる、おもしろい本です。新聞や書籍の読み方、ネットとの付き合い方、情報収集の仕方、世の中の流れについていくための勉強方法などに悩んでいる方であれば、本書を読むことでヒントが得られると思います。おすすめです！​

  2017.10.20

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  『日経WOMAN 2017年11月号』 を読みました

  今月の『​​​​​​​​​日経WOMAN（2017年11月号）』を読みました。メインの特集は、手帳の使い方です。題して、「1年後、私が劇的に変わる！　すごい手帳のコツ３００」​​この時期になってくると、手帳の使い方について特集を組む雑誌が増えてきますよね。特に日経WOMANは、毎年のように手帳の使い方について特集している印象があります。・・・なんか去年も、その前の年も、もしかしたらもっともっと前の年も、手帳の使い方について読んだ気がするな～。本当に今年も、読む必要があるんですかね・・・・・・と思いつつ書店で立ち読みしたら、真似してみたくなるアイディアがいろいろと載っていたので、家でじっくり読もうと思い、結局購入してしまいました。Afternoon Tea の万年筆が付録について、750円。万年筆の付録なしのミニサイズ版も売っていました。こちらは650円。ミニサイズ版は価格が安いし、携帯性に優れていると思いますが、今回の誌面には手帳の使い方の実例写真がたくさん掲載されており、通常サイズで読んでもやや判読しにくいぐらいのものもありましたので、読みやすさからいえば通常サイズの方がおすすめだと思います。内容についていろいろな目的のもとに、手帳を効果的に使うアイディアが豊富に紹介されています。私が気になったのは、「今年こそ”三日坊主”にならない手帳」「睡眠時間も収入も増える手帳」など。その他、「手帳の悩みにプロが答えます」というQ&Aコーナーや、さらなる手帳ワザ、手帳がかわいく楽しくなる文房具、さまざまな種類の手帳の紹介・・・と、盛りだくさんの内容でした。個人的には、ガントチャートを使って日々の習慣をチェックしたり、円グラフを使って一日のスケジュールを把握したりするというアイディアを真似してみたくなりました。その他の特集でよかったのは、「幸せ女子のお金の使い方」という特集でしょうか。まず、「スキルアップにはお金を惜しまない」という言葉に考えさせられるものがありました。得ることができたスキルや経験は、その後の人生を変える可能性を秘めているため、スキルアップにお金を使うことは最も効果的にお金を生かせる費目なのだそうです。また、「リアル店舗やネットで衝動買いを防ぐには・・・」これも参考になりました。衝動買いを防ぐために、「ネットショッピングサイトからのメルマガの購読を解除する」などのアイディアがいくつか挙げられていました。ちなみに、付録の万年筆ですが・・・けっこう重みのある、ちゃんとしたつくりの万年筆という印象です。さわやかなエメラルド・グリーン系の色調で、キャップには金色で Afternoon Tea の文字が印刷されています。・・・しかしながら。書き味を試そうと紙にペン先を走らせてみたところ、なんとインクが出ませんでした！インクのセットの仕方が悪かったのかな？もしちゃんと書けるようになったら、後ほど書き味についても追記いたします。

  2017.10.19

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  実らない恋も、また良い恋

  明日はバレンタイン・デーですね。恋人がいる人は恋人に、結婚している人は夫に、会社勤めをしている女性は、上司や同僚や後輩くんにチョコレートを用意したりしているのでしょうか・・・。それとも最近は、そういうのはナシで・・・という職場もあるのかなぁ。・・・私？私のチョコの行方が気になるって？33歳、職業フリーランス出会いなし、独身街道まっしぐらのこの私のチョコの行方が、本当に気になるんですかっ？！それはともかく（・・・と話をそらす）、明日はいろいろなドラマが生まれる1日ですよね。バレンタインをきっかけに想いが実る人もいれば、ちょっぴり切ないものが待っている人もいるかもしれません（チョコが渡せなかったとか、いろいろ・・・）。でも、そのどちらも、良い恋だと思うんですよ～。私も少し前までは、恋愛について、いわば相思相愛というのが理想だと思っていました。自分が好きな人が、自分のことを好きになってくれるなんて、なんて幸せなことでしょう。でも、世の中には、どうしても実らない恋というのも存在すると思います。いろいろな事情があるでしょう・・・。では、実らない恋に価値がないのかというと、そんなことはないと思うんです。たとえ実らなくても、誰かを好きになったこと、それは本当に大切で貴重な感情を経験することができたということですから・・・。それに、たぶん人間は誰でも、長い人生の中、少なくとも1度ぐらいは実らない恋も経験するものではないでしょうか。（私は悲しいかな、そういうパターンばかりでしたが・・・。）他にもいろいろな恋を経験して、そしていつか、ハッピーエンドにたどり着けるんじゃないかなぁ、なんて思います。前置きが長くなりましたが、「実らない恋」を描いた秀作マンガがあります。漫画家・吉田秋生さんの単行本『夢見る頃を過ぎても』の中に収録されている「はるかな天使たちの群れ」です。昭和50年代初期の若者を描いたマンガなのでやや古いですが、描かれている感性は全く古くないと感じました。もし親友の恋人を好きになってしまったら、どうすればいいのでしょう？・・・おすすめです。

  2012.02.13

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  Walk Two Moons

  Walk Two Moons という児童書（洋書）を読み始めました。このお話の主人公は13歳。そのため、きっとターゲットの読者層も13歳前後だと思われます。英語がきれいで好きです。お話の方は、ちょっと切なくて、ユーモアがあります。主人公の気持ちを想像してきゅーんとなったり、ちょっとしたおもしろい描写に、ときには「ふふっ」と吹き出してしまったりします。そういった描写のうまさに加え、今後の展開が気になるような、構成のうまさがあります。読み進めていくのが楽しみです！

  2012.02.06

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  『日経WOMAN』

  何となく私が生きている今日は、昨日亡くなった人がどうしても生きたかった今日かもしれない（『日経WOMAN』11月号57ページ「読者がメモした言葉、大集合」より引用）現在発売中の『日経WOMAN』11月号では、『一冊の手帳で私が変わる！』と題する特集が組まれており、手帳の使い方の様々なアイディアや、市販されている様々な手帳が紹介されています。とても参考になるアイディア満載で、そろそろ来年の手帳を準備するこのシーズンには最適な特集だと思います。手帳を今よりももっと効果的に使いたい方は必見です。さて、上に引用した言葉は、その特集の中の「読者がメモした言葉、大集合」というページに書かれていた言葉です。この言葉を目にした時、はっとしました。毎日を何となく生きてしまいがちですが、私が今日を生きられたということは、実際はとても貴重なことなのだということを実感させられました。・・・とここまで書いて思い出したのが、こうの史代さんのマンガ『夕凪の街 桜の国』です。このマンガについては以前の日記に書いたので、もしよろしければそちらもご覧下さい↓。『夕凪の街 桜の国』―ヒロシマへの原爆投下を描いた作品 ■■手帳関連で気になった本たち■■　日経WOMANは女性の例だけだったので、男性の例も見てみたい　300％とはいかに？！気になる・・・　カレンダーの使い方もいろいろあるらしい　来年は「ほぼ日手帳」も候補です

  2011.10.18

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  『幸運を呼び込む「2度書き」手帳術』

  『マンスリー＆ウィークリーで幸運を呼び込む「2度書き」手帳術―幸せな人はみんなやっている』という本を読みました。この本、書店でタイトルに妙に引かれて手に取ってみたところ、なかなかおもしろそうなので購入しました。結果は、買って大正解！今までモノクロでなんの規則性もなくメモ書きのように用いていた私の手帳が、カラフルな、目標達成を手助けしてくれる愛すべき手帳へと変化しました。この本の提案している手帳術の良いところは、まず、予定を5色のペンで色分けして書き込むこと。日常生活については黒、仕事は青、健康に関することは赤、プライベートは緑、夢に関することはオレンジ・・・という具合です。実際に5色に分けてマンスリーページにスケジュールを書き込むと、色分けしてあるおかげで、自分が1カ月間でどの種類の活動にどれだけの時間を割いていたのかが一目瞭然になります。また、他にもこの手帳術の良いところは、「日常の小さな幸せ」をウィークリーページにメモ書きすること。これは、物質的にちょっと得したこと（割引券をもらったなど）、自分が他人に対してしてあげたこと（プレゼントなど）、予期せず起きたうれしい出来事などを記録しておくことで、日々の幸せを実感する習慣をつけようというものです。なるほど、何か良いことがあっても、その時は一瞬はうれしいのですが、その後すぐに忘れてしまうことが多い気がします。その点、このようにメモして記録しておけば、記録の数だけ良いことがあったということで、幸せを忘れにくくなる・・・つまり、自分の幸せに気付きやすくなるのだと思います。そんなわけで、私もさっそく、自分に起きた「日常の小さな幸せ」を思い出して、手帳に書き込んでみることにしました。「何か良いことなかったかな～、昨日は夕方デパートに行ったんだっけ・・・そうだ！あれだ！！」と思い、書いたのは・・・・・・「デパ地下で、ゼリーを3個試食できた」・・・・・・こんなレベルの幸せで、いいのでしょうか？？まあ、それにしても、「3個ってどんだけ試食したんだ？！」って感じですが、売り場の人が「この味もどうぞ！こちらの味もどうぞ！」と勧めてくれるので、ついついパクパクといただいてしまいました（笑）。ちなみに試食した商品は、ちゃんと買いましたよ～。やや脱線しましたが、この本、手帳を使って楽しく自己管理と幸せ探しをしたいというような方にはお勧めの一冊です！　　↑5色ペンには、好きなインクを組み合わせられるボールペン「スタイルフィット」がお勧めです。　私は渋谷ロフトで買いました。

  2011.08.19

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  『夕凪の街 桜の国』―ヒロシマへの原爆投下を描いた作品

  『夕凪の街 桜の国』は、広島の原爆投下がテーマに描かれた、こうの史代さんのマンガです。とても短いマンガで、すぐに読み終えることができます。こうの史代さんの描くイラストはとてもかわいらしく、ほのぼのとしたタッチです。さて、「原爆」がテーマのマンガといっても、このマンガは『はだしのゲン』のように原爆の被害にあった人々の痛ましい姿などをリアルに描写していくスタイルのマンガではありません。8月6日の原爆投下についてはほんの数コマしか触れられておらず、ストーリーは原爆投下から10年後の広島に生きる女性、皆実（みなみ）を主人公に進められる『夕凪の街』と、現代の東京に暮らす七波（ななみ）を主人公とする『桜の国』の2部構成になっています。上にも書きましたが、このマンガは従来の原爆をテーマにした作品の多くとは異なり、ある女性とその家族の人生を通して、原爆が1945年8月6日その日だけでなく、数十年という長い年月にわたり被爆者とその家族を苦しめ続けたことがわかるようになっています。私がこのマンガを読んだのは今から5年ほど前のことなのですが、このマンガを読み、人の命の大切さや尊さについて真剣に考えるようになりました。私たちはなにげなく生きてしまいがちですが、実は私たちが生きているということは、本当に貴重なことなのだと思います。生きたくても生きることのできなかった誰かの命を、私たちはその人の分まで生きている、生きさせてもらっているのだと思います。だからこそ、今自分に与えられたこの命を精一杯生きることが本当に大切なのだと思います。まだ読まれたことがない方がいらしたら、ぜひ1度読んでみられることをお勧めします。　←書籍版コミックはこちらまた、この作品は"TOWN OF EVENING CALM, COUNTRY OF CHERRY BLOSSOMS"というタイトルで英訳されています。そして、もし皆さんの周りに外国人の方がいらしたら、ぜひこの作品を読むように勧めてほしいのです。日本人以外の人たちの中には、ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下を、よく聞く言いぐさですが「戦争を終わらせてくれたのが原子爆弾（だから原爆投下は容認している）」というぐらいにしか思っていない人も多いのではないかと思います。この作品を読むことにより、原爆投下がいかにひとの人生を狂わせたか、いかにむごいものであったのかを知ってもらうことができるのではないかと思います。　←英訳版はこちら

  2011.08.06

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  心に灯がつく人生の話－『文藝春秋』8月特別号 その２

  今日も昨日の日記の続きで、『文藝春秋』8月号に掲載されている、ノンフィクション作家、山崎朋子さんによる「真っ黒なご飯」という講演（記事はその講演を文字で再現したものです）について、昨日とは違う点について紹介したいと思います。私がたいへん感銘を受けた点です。お時間があれば、ぜひご一読いただければと思います。（＊下記の山崎さんとおばあさんの関係については、昨日の日記をご覧下さい。）山崎さんは、おばあさんへの取材を基に、からゆきさんについてまとめた作品『サンダカン八番娼婦館』を書き上げますが、作品を発表するのをためらっていました。おばあさんがご存命の内に作品を発表することで、おばあさんに迷惑がかかるのを恐れていたのです。すると、おばあさんは、山崎さんが唯一見た怖い顔をしてこう言ったそうです。「おまえはなんちゅうだらしのなかことば言うちょるか。朋子、おまえにはね、文字というものがあるじゃないか」それまでの私は、山崎朋子がからゆきさんの本を書く、ということしか念頭にありませんでした。しかしながら、この目に一丁字を持たぬ老女にとりましては、山崎朋子のペンであろうと誰であろうと、かまわないのです。たいへん至らないペンではありますが、私が持っているペンは私のものであって私だけのものではないということを私は知らされたのです。それでようやく書物の発表に踏み切ることができたのです。けれども、私は今、皆さま方を前にして、あの天草の私の偉大なる先生、私の大いなる母親は、けっしてそのような小さな意味で、「文字というものがある」という言葉を使われたとは思えないのです。読み書きができ、その日の暮らしを普通に営むことができるほどの人間であれば、その生きる人生の過程において、いつでもかまわないから、人それぞれのやり方において、自分よりも悲しみを抱いている人々に対して、人としてのそれなりの責任を果たせよ―と、言いたかったのであると、今、しみじみ思っております。（青字部分：306ページから引用）誰にでも「得意なこと」があると思います。特別なことでなくて良いのだと思います。どんなことでも、人より少しだけうまくできることがあれば、それは自分のためにだけではなく、他の誰かを助けるために天から授けられたものなのだと思います。英語では「才能」のことを talent と言います。キリスト教文化圏の人々にとっては、talentとは自分のために備えられたものではないのだそうです。talent・・・自分の持っている才能は、「自分のためではなく、人のために使うために与えられたもの」なのだそうです。ちょうどそれと考え方が似ていると思います。私はここ最近、今後の仕事の展望や、将来の目標について考えています。私は優柔不断な人間ですから、悩むことばかりです。けれども、今回山崎さんのこのお話を読んで、ひとつだけ心に留めておかねばならないことがわかりました。それは、自分に与えられた力は、単に自己満足のためだけではなく、他の誰かのためにも生かしていかねばならないということです。私はまだまだ学ぶべきことがたくさんある未熟者ですが、そんな人間でありたい―少なくとも、そういう理想を忘れずに胸に抱いて暮らしていきたいと思います。　

  2011.07.29

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  心に灯がつく人生の話－『文藝春秋』8月特別号

  「人間というのは、もちろんこの私を含めまして、非常に愚かなもので、人の人としての値打ちを、その人がもっております社会的地位、金銭の多寡、学歴、家柄、年齢、容姿、すなわち外側の物差しでのみはかりがちでありますけれども、人としての値打ちはけっしてそれだけで測ってはならないということを、私はこのおばあさんから教わりました。」（「真っ黒なご飯」山崎朋子　『文藝春秋』8月特別号306ページから引用）「からゆきさん」と呼ばれた人たちのことを、私は『文藝春秋』8月特別号「心に灯がつく人生の話」と題された特集のなかのノンフィクション作家、山崎朋子さんによる「真っ黒なご飯」という講演（この記事はその講演を文字で再現したものです）で初めて知りました。からゆきさんとは、19世紀後半、草の根っこを食べてしのぐ程の厳しい飢饉に襲われた日本の農村から売られていった娘たちのことです。この娘たちはアジアの国々へ連れて行かれ、娼婦として働かせられることになったのだそうです。なんともむごい話です。講演者の山崎さんは、からゆきさんだったあるおばあさんに実際に取材を行い、からゆきさんの人生を『サンダカン八番娼婦館』という本にまとめました。山崎さんは、そのおばあさんからからゆきさん時代の話を聞くために、3週間おばあさんのもとで暮らさせてもらいます。その間、山崎さんは自分がそうやっておばあさんのもとで暮らす目的を言わずに過ごしていたそうです。おばあさんの口が重くなり、取材に悪影響を与えないようにしたかったためです。おばあさんは、そんな山崎さんに「おまえは何をしに来たんだ」という問いは一切せず、それどころか貧しい暮らしにもかかわらず、山崎さんに気を遣って過ごしてくれたそうです。3週間が経って、山崎さんは東京に帰る前日、ついに自分からおばあさんにこう切り出しました。「・・・あなたは私が何のために、ここにこうやって暮らしていたか、そのことをお尋ねになりませんが、知りたくはございませんか。」と、こう申しました。そうしたら、おばあさんはびっくりした顔をされまして、「いやぁ、おまえ、それがどんなにたずねてみたかったかしれんぞ」とおっしゃるんです。私、驚きまして、「そんなに聞きたいんなら、毎日目の前にいたじゃない」とこう申しましたら、おばあさんは次のように答えられました。「おまえが自分の口で言えるほどのことだったならば、自分で話そうものを。自分で言えないことを、どうして他人の私が聞いてよいもんかね」亡くなるまでの間、私、毎日手紙を出し続けましたが、その文字を一字とて自分の目で読むことのかなわぬ女性でございます。しかも生涯を売春を生業として生きた女性でございます。その方が書物や、あるいは人のお話から得た言葉ではない、掛け値なしの言葉だと思います。人間というのは、もちろんこの私を含めまして、非常に愚かなもので、人の人としての値打ちを、その人がもっております社会的地位、金銭の多寡、学歴、家柄、年齢、容姿、すなわち外側の物差しでのみはかりがちでありますけれども、人としての値打ちはけっしてそれだけで測ってはならないということを、私はこのおばあさんから教わりました。（青字部分：305、306ページから引用）このおばあさんは、学もなく、娼婦として生きてきた方でしたが、人が自ら語ろうとしないことには触れない奥ゆかしさや思いやりを持っていました。人として尊いとはどういうことであるのか、この記事を読んで考えさせられました。今日は一部分しか取り上げることができませんでしたが、その他にも考えさせられる点、学ぶ点の多いお話で、心が揺さぶられました。この記事が掲載されているのは文藝春秋の今月号ですので、現在書店で販売中です。もしお時間があるようでしたら、ぜひお手にとって、全文を読まれることを強くお勧めします。　

  2011.07.28

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  結婚について考える－『文藝春秋』7月号の記事より

  雑誌『文藝春秋』7月号をパラパラとめくっていたところ、ある記事で私の手はピタリと止まりました。その記事のタイトルは・・・『「20歳で彼女ナシ歴84％」時代の婚活－もと戦略コンサルタントが分析する、未婚時代の傾向と対策』彼女ナシ歴、未婚時代、婚活・・・という言葉が、32歳独身女の私の心を捉えました（笑）。この記事の著者は、外資系コンサルタント業界から畑違いの婚活ビジネス（株式会社オーネット）に飛び込んだという、西口敦さん。この記事を短くまとめますと・・・「結婚相手は普通の男性でいいのに良い相手が見つからない・・・」と言うアラサー・アラフォー独身女性は多いようじゃがのう、普通の男性を見つけることは意外と難しいことなのですぞ。結婚したいならば、自分磨きや海外旅行、自分1人・同性同士で楽しむことに時間を費やすのは逆効果、結婚は遠のくばかりじゃ。そのことにも注意するようにせねばならないのう。それから、結婚には「きっかけ」が必要なんじゃ。大震災がきっかけとなったならば、それまたおおいにけっこう。悪いことは言わん、これをきっかけに、結婚しなされ・・・ふぉっふぉっふぉっ」・・・という感じでした。（注：もちろん著者の西口さんはこんなおじいさん口調では記事を書いておりません、念のため。）この記事は、「なるほど」と思う点も多くあり、参考にもなりました。しかしながら、著者が「きれいで、おしとやかな女性がアラサー、アラフォーで独身のまま」という理由を分析しているところで「ん？」と疑問を抱きました。著者によると、そういった女性たちは、「二十代のとき、とてもモテる。素敵な人たちから声がかかり、美味しいものを食べに連れて行ってもらえる。ただし、その男性の大半は既婚者や「遊び人」である。　ここで困ったことに、彼女たちは飛躍的に目が肥える。同年代の普通の男性は、子供っぽく頼りないので、恋愛の対象外。　三十代になると、同年代の誠実な男性たちは魅力を増してくるものの、前述の通りとっくに既婚。（略）高止まったままの「目の肥え度」に反して、肝心の自分自身の魅力度に下方圧力がかかってくる。（略）いまさら、自分から男性にアプローチするなんて、やり方もわからないし、プライドも許さない。」（210から211ページより引用）・・・ということらしいのですが、「これってバブル期の話じゃなく、今の時代の話なんですかね？！」・・・というのが私の正直な感想です。アラフォーの上のほうの年齢の方はわかりませんが、1978年生まれの私ぐらいのいわゆるロストジェネレーション世代の人たちは、一部の順風満帆な人生を送ってきた方を除いては、こんなふうなある種「恵まれた」理由だけで未婚になっているわけではないと思います。（既婚者や「遊び人」と交際することが必ずしも恵まれているとは言えないとは思いますが・・・。）就職超氷河期を経験し、結果として派遣労働など不安定な雇用形態を選択せざるを得なかった人もたくさんいる時代です。そういう時代背景や労働環境も、未婚率増加に関係している気がします。少なくとも、私はこの著者の言うような女性たちの枠の中には入っていないなぁ・・・。職場の「超」体育会系の飲み会に参加したことはあっても、既婚者や「遊び人」とデートしたことなどないし・・・。目も肥えてないし・・・・・・。片思い歴長いし・・・・・・・・・。・・・あ、そもそも私はこの著者の言う「きれいで、おしとやか」じゃないのかな（笑）！さて、なんやかや書きましたけれど、結婚って、自分でどうにかしようと思ってもどうにかできるものでもないような気もします。結婚したいならば「結婚したい」という意志を持ち、それに即した行動をとることは必要だと思いますが、最終的には「ご縁」など、自分の力ではどうしようもないこともあるでしょうし・・・。それに「結婚」という事実にこだわってしまうと、ひとつ大切なことを忘れてしまうかもしれません・・・私は、自分が本当に好きになった人が自分の心の中にいてくれること、それが大切なのではないかと思います。だって、好きな人が心の中にいるのって、本当に幸せなことなんですよ。それだけで心があたたかくなるし、強くなれるんですから。　←7月号は先月号です。ご興味ある方はぜひ。

  2011.07.26

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  IFRSのお勉強－『これでわかった！決算書』について

  IFRS（イファース）とは、「国際会計基準」のことです。会計、特に決算書において、グローバル化の中、国際会計基準が導入されようとしています。本格的に導入されるのはまだ先のことらしいのですが、そろそろ視野に入れて勉強しておいた方が良さそうだと思い、IFRSに対応している『これでわかった！決算書』という本を買ってみました。本書は「決算書は勉強したい、でも、会計の専門家になるわけではないので、あまり時間はかけたくない」という人向けに書かれているとのことで、決算書を読みこなせるようになりたい初心者向けの内容です。本日第一章を読んでみたところ、確かに会計用語についてわかりやすく、簡潔に説明がなされていますし、IFRSについても所々で触れられています。けれども、重要用語も図表も白黒印刷なので、その辺が少しわかりづらいと思います。新書だから仕方がありませんが、これが2色以上のカラー印刷で、図表ももう少し大きく丁寧に解説されているともっとわかりやすいんだけどな～という印象です。しかしながら、たまに著者のおちゃめな（？）一面が垣間見えるような文章があったりもします。例ば、こんな感じです。しかし、中には「経費は無駄なのだから、一切、出すべきではない」という信念（？）に凝り固まった経営者もいます。こうした考え方は女性経営者に多いのですが、（ただし、このことについて統計的裏付けはないので、女性経営者団体から抗議を受けたら、私は無抵抗でその抗議を受け入れます）・・・　（47ページより引用）ああ、無抵抗で受け入れるのか・・・（笑）と。会計用語をきちんと理解し、決算書が読みこなせるようになればいいのですが、それはまだまだ先のことになりそうです。とりあえず、このように取っつきやすそうな本をいろいろ読んでみて、勉強を続けていきたいと思っています。

  2011.07.25

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  『平成大家族』　中島京子　（感想）

  今日は夕食後、すごく眠くなり、「30分だけ寝よう・・・」と思ったところ、起きたら深夜12時をとっくに過ぎていました。少しなのですが明日（というかもう今日ですね）納期の仕事があるので、これからお仕事です♪（←全く楽しくないのですが、文面だけでも楽しそうな感じにしてみました。）最近生活リズムが乱れがちですので気をつけないといけません。ところで、書店でたまたま見かけた中島京子さんの『平成大家族』という本を読んでみました。先日読んだ林真理子さんの『下流の宴』が家族を扱った作品だったので、同じように家族を題材にしたこの本を読んでみようと思いました。＞三十路のひきこもり息子＞破産した長女一家＞物置に閉じこもる孫＞離婚後に妊娠が発覚した次女＞戦中の記憶と現在を混同する姑・・・と、かなりバラエティに富んだ登場人物たちについて描かれていくようなので、どんな展開になるのか期待して読み始めましたが、感想は、うーん、微妙でした。ところどころ心に訴える場面もありましたが、全体的にはお気楽なファミリードラマという印象でした。私にとっては、現代に生きる一家族を、とんでもない設定で風刺的に描いている『下流の宴』の方が刺激的でおもしろかったです。また、この本に比べると『下流の宴』は日本語がとても読みやすかったように思います。流れが良いというか、すいすい読める感じでした。この『平成大家族』は、描写に修飾語が多い印象で、流れが良くないように思いました。なんというか、ごつごつした道をつまずきながら読んでいるような感じがしました。最近日本語の本をあまり読んでいなかったので、今後はそういった日本語の使われ方についても注意しながら、読書をしていきたいと思います。

  2011.07.21

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  『下流の宴』　林真理子　（感想と引用）

  林真理子さんの『下流の宴』を読みました。今黒木瞳さん主演で、『下流の宴』のドラマが放映されています。（NHK火曜22時から）たまたま第3話を見たところ、かなりおもしろくて、続きがどうなるか気になって気になって、結局小説を買って読みました。こんなに続きが気になる話は久々でした。ネタバレしない範囲で表現するのは難しいのですが、ちょっと感想を。この本では、現代の世相や風潮がおもしろおかしく、けれども痛烈に描かれているように思いました。「上流」の生き方にこだわる人間。「下流」と言われてしまう人間。そもそもそんなことには全く興味のない人間。現代を生きる人間の姿が、個性的な登場人物たちを通して描かれていきます。「上流」ってなんだろう？「下流」ってどういうこと？正しい生き方とはなんなのか？この小説を読み終える頃には、それらの問いに対する自分なりの結論が出ることと思います。あと、この本を読んだら、私は妙にやる気が出てきました。「よし、私も人生頑張るぞ！」という気持ちになりました。実はここ最近、私はあることに悩んでいました。自分に自信が持てないのだけれども、その一方で前進はしたい、でも・・・というように、考えが堂々巡りになっていました。けれどもこの本を読んでから、ダメでもともと。それならひとつ、頑張ってみるか！と思えてきました。以下にこの小説の中で印象的だったことばを引用したいと思います。「生きること」について、とても良い内容が書かれている部分です。あまり話を左右する部分ではないのですが、ネタバレが嫌な方はここから下は読まないでくださいね～。以下引用です。（青が珠緒、緑が広瀬の会話です。）「なんかさァ、それって空しいよね」（中略）「せっかくいい大学出たのに、なんかつまんないよね。結局はさ、人って年寄りになって、いつかは死んでいくんだよね。そう考えるとさー、東大とかヒトツバシ出てもさ、いつか人って、同じところへ行くんだよね－」（中略）「だけど、僕はそうは思わないよ。絶対にさ」「あれー、そうなの」「だってそうだろ、タマちゃん。人間はさ、急に二十歳から、六十歳になるわけじゃない。その四十年間でさ、いろんなことを経験するんだ。僕はね、世界中いろんなところへ行ってさ、楽しい経験をいっぱいした。うんとうまいものを食べたし、酒もいっぱい飲んだ。あのね、どうせみじめな老後が待ってるんだったら、何をしても同じだね、なんていうのはさ、まるっきり違うと思うよ」「そうかー、そうだよね」「そうだよ。この頃さ、タマちゃんみたいな若い人たちがさ、どうせ、人間いきつくとこは同じ、みたいなことを考えてるだろ。あれって嫌だね。僕はさ、思い出に生きるつもりはないけどさ、四十年はうんと楽しんだ。年とってからのことなんか考えなくてもいいんだ。二十代からの四十年のことを考えて人間って若い時に頑張るんだよ・・・・・・。いや、なんか説教くさいこと言っちゃったね。せっかくのタマちゃんのコーヒーブレイクなのにさ」（345～346ページまでの引用）

  2011.06.29

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