シャンヤン最終日とアメリカ人の友だち
今日で有名なニセモノ市場、シャンヤンが閉鎖される。最終日は、いつもよりもっと値段が下がるし、閉鎖された後は店がバラバラに移転し、なかなか色々なものを一度に買えなくなるということで、なくした指輪のこともあり、おじさん半額にしてくれないかなーというわずかな望みを胸に、アメリカ人の友人と一緒に行って来た。その彼女はいつも怒っている。そして、いつも半ば強引で、半ば自己中。一日に3度も4度も電話をかけてくる大の電話魔で、とても人に気を使う、何の努力もしない、何でも人任せのとても気の合う友達。私がこれまでにシャンヤンでゲットしてきた数々の戦利品を彼女も欲しい!と、行くことになった。今朝、タクシーに乗った時から、いつものように彼女はずっと怒っていた。彼女のダンナ様、そのダンナ様と変な関係にある元彼女、お姑さん、この国のこと、自分の妹、アイさん(お手伝いさん)。次から次に色んなネタを持っていて、尽きることがない。彼女の持ちネタにびっくりしたり、同じように怒りを感じたりしながら、いつものように2人、あーだこーだと話す内、これまたいつものように彼女のボルテージは上がっていった。普段から時々2人でランチをするが、この上がってしまった彼女のボルテージは相当なものでいつも周りの人が皆、ケンカが始まったのかと私達2人をじっと見る。そしてしばらくして2人が笑う姿を見ると、な~んだ、とまた自分達の食事に戻る。シャンヤンに着き、溶けそうなくらいの蒸し暑さにくじけそうになりながら、いつにも増してすごい人でごった返す中、先ず彼女が欲しいと言った私と同じものを買いに行った。彼女はそれ以外にも色々と買い、ランチのお金以外もう持ってきたお金がなくなったから、とさっさと打ち止め。大満足の彼女。さぁ、私はどうしようかなー、友達の子供に服や本物の虫の入ったキーホルダーなんかを買って行こうか、とブラブラ始めると、「どこ行くん?」 「どっちに行くん?」 「次は何?」 「まだ?」 を連発しだす。あ~、うるさいやっちゃ。 自分が終わった途端にこれかい。黙って付いて来いや。 と思いながら彼女のどこ?どっち?攻撃を適当に流していたが、素晴らしい蒸し暑さと人ごみに加え、この攻撃。だんだんとやる気が失せていった。「もうええわ、ランチ行こ。」 と言うと、「ほんまに~? ええの~??」 と白々しく言う。どないやねん。何も買わずに出ようとする私に、自分だけ色々買って悪いと思ったのか、「何も買ってないやん。 何か買いや。」と、店員も顔負けのセールストークであれこれ薦めてくる。うるせーよ。昨日も、明日ランチするところをどこかチェックしといてー、と嫌いな食べ物が沢山ある、上海在住歴2年の彼女は在住歴10ヶ月の私に一任し、お陰でこのところ毎日忙しい私は夜遅くまで色々な情報誌を彼女の為にめくった。そしてここなら彼女も食べるものがあるだろう、と買い物を諦め歩き出したのに。目的の場所まで徒歩10分~15分。「まだ~?」 「あとどれくらい~?」「もうだいぶ歩いたでー。」「こんなに歩くんやったらタクシー乗れば良かったー。」おめぇ、私もそろそろ切れるぞ。人に全部任せといて、文句を言うな。痩せたい、痩せたいと言うならちょっとは歩け。私の口がそう発する前に目的のカフェに着いた。キンキンに冷えた部屋に暑さと怒りを忘れ、また彼女のいつもの怒りのネタに花が咲いた。シャンヤンにあったお気に入りのいくつかの店が7月10日から地下鉄の上海科技館駅のビルに入ってオープンする。「今より近くなるやん! じゃぁ再来週また行こや!!」今日の買い物にとても満足し、さらに勢いのついた彼女はそう言った。おめぇとはもう行かねー。彼女とはとても気が合う。