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カテゴリ:音楽日記
場所は青山の草月ホール。 全国ツアーの最終日です。 5月のキネマ倶楽部は大所帯のバンドだったけど、今回はシンプルな編成。 おおはたさんと、高田蓮さんと、パーカスさんの3人だけなのです。 …っていうか、今月ライブと芝居多すぎ! だって、師走って、すばらしい演目やツアーが目白押しなんだもの。 ま、いいや。来年から減らそう。 そしてチケットがあるぶんは、めいっぱい、体じゅうで楽しもう! おおはたさんの音楽を生で聴くと、「生きててよかったんだ」って大げさじゃなく本当に思う。 そして、これまでの人生に起こったすばらしい出来事が、色や香りや手触りをともなって、記憶の引き出しから鮮やかによみがえってくる。 尖った雑草の先についた、夜露の冷たさ。 原っぱに寝ころんで見た満天の星空。白い天の川。 虫の声。 あの夏の花火。波の音。 煙の匂い。 いくつもの、無数の、愛して愛された記憶。 あたたかくてやさしい音が、魔法つかいみたいな指先から次々と送り出されるたび、記憶のしゃぼん玉が弾ける。 これが泣かずにいられましょうか! あんまり夢中になっていたので、もはや曲順をほとんど覚えていないという、ぼんやりなわたし。 覚えているのは、 「ハリケーン・ドロシー」を思わずちっちゃな声で口ずさんでいたら、おおはたさんが「一緒に歌ってもいいよ」と笑って言ったこと。 次のミニアルバム(1月24日発売です!みなさん!)に収録される新曲「クレア」が、ジグソーパズルの最後の1ピースみたいにぴったり胸の隙間に入ってきて、ずーっと泣きっぱなしだったこと。 「奇跡」は、実在するライブハウスをイメージして作られた曲であること。 ボブディランを歌った「3番」の存在。 アンコールのとき、おおはたさんが客席に降りてきて、ギター抱えて走っていたこと。 「エゴトレイン」で、高田蓮さんのワイゼンボーンとパーカッションが、しびれるくらいかっこよかったこと! 最初の一音から最後まで、一瞬も休まず、ホールいっぱいにやさしい空気が満ちていたこと。 おおはたさんは、本当に気持ちよさそうにギターを弾く。 だから客は、コンサートに来ていることなんか忘れて、彼の部屋に遊びに行って、ギターを弾いてもらっているような気分になるんだ。 前のライブのときもそうだったけど、途中からだんだん、楽器とおおはたさんの境目がわからなくなってくる。 ギターが人間に生まれ変わったら、たぶん、こんな感じだろう。 それにしても、ねえ、ギターがこんなに色んな声を出せる楽器だなんて、わたし、あなたに出会うまで思ってもみなかったよ。 ああー、すばらしいライブだったなあ。 来年はまた、スナフキンのように、全国50カ所でライブをするのだそうです。 今年はマイクを持たずに、ギター1本で回るんだって。 また何度か会えるよね。会えるといいな。 …写真はライブ前の腹ごしらえ。 「それからはスープとサンドイッチのことばかり考えて暮らした」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.17 00:53:47
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