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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2007.04.09
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カテゴリ:美術館日記
カウンセリング。
仕事が忙しくて、とても疲れていること。
でも、誰かのために何かをするのは、楽しい。
小さくても、役に立っているという実感が得られれば、嬉しい。
好きな人たちと協力してひとつの仕事を運営するのは、幸せ。
楽しくて嬉しいので、疲れていてもがんばれる。
自分の足で立つことをやめないでいられる。
働くって、ほんとはシンプルなことなのだなあ。

クリニックを出て、国立新美術館のモネ展へ。
疲れていたけど、これだけはぜったいにどうしても、何度か見ておきたい。
通院日を逃すと、平日に見られることなんてたぶんないので。
休日に行っても、絵を見るどころじゃないだろうからなあ。

着いてみたら、思ったよりも空いていて、ほっとする。
がんばれば、足を止めて自分のペースで見られるくらいの余裕はある。
積みわら、ルーアン大聖堂、睡蓮…
大好きな絵の前に立って、色彩に心を委ねる。
水面に踊る光や、日なたの土のにおい、吹き抜ける風の感触まで、カンヴァスから浮かび上がってくる。

絵を見ながら思いついたこと。

モネという人は、絵という媒体を使って、ヒトの五感をあまねく動かす実験をしたのかもしれない。
目の前の風景を忠実に写しとって視覚に訴えるだけじゃなく、視覚を通して人の記憶に働きかけ、さまざまな経験の中から、においや音、手ざわりまで引き出してしまう。
その実験はおそらく成功を収め、今も世界中の人が、モネの絵を通して彼の愛したジヴェルニーの庭を何度でも追体験できる。

家でもモネの絵を眺めたかったので、帰りに図録を買う。
部屋でくつろぎながら、好きな絵を見られて嬉しい。
最近は、朝少し早起きして、カフェオレを作り、モネの絵を眺めてから出かけている。
自分に小さなごほうび。

それにしてもこんなに大きなモネの展覧会、日本ではもちろん、世界でもめずらしいんじゃないだろうか。
メトロポリタン、ボストン、ルーブル。
学生時代、少ないバイト代をはたいて出かけた憧れの美術館の名前が、絵の下にずらっと並んでいる。

図録を見たら、準備期間5年と書いてあった。
5年と言えば、新生児が幼稚園の年長さんになってしまうほどの年月。
ひとつの展覧会のためにそれだけの時間をかけるなんて、わたしの働いている業界とはあまりにも尺度が違っていて、気が遠くなりそう。
正反対だから憧れるだけかもしれない。
けれど今のわたしは、1分1秒をあらそうより、何年もかけて1枚の絵を飾ることに、心をひかれる。





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Last updated  2007.04.12 16:00:46
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