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カテゴリ:美術館日記
休日。
たまっていた家事や用事を片づけがてら、おいしいコーヒー屋さんへ。 街はいろとりどりの花でいっぱい。 写真を撮りながら、ゆっくり歩いていく。 新鮮なレタスと新玉ねぎのサラダ。 それから自家製クロワッサンのサンドイッチ。 かぶりつくと、幸せが口の中にひろがる。 香ばしくて舌ざわりのいいコーヒーも、ゆっくりいただく。 お茶の時間は、自分とデートするひととき。 東京都現代美術館へ。 マルレーネ・デュマス展をみる。 南アフリカ生まれの画家、デュマス。 この展覧会を見るまで、わたしはこのひとの存在を知らなかった。 むき出しの生と性。 人間の中に眠るどろどろしたものたちを、表に引きずり出して白日の下にさらす作品たち。 荒木経惟の写真をモチーフに描かれた「ブロークン・ホワイト」がすごい。 女の呼気までたちのぼるような生々しさ。 展示室を歩きながら、目の前がぐるぐるする。 1枚ずつ、あちらの世界に引き込まれそうになる自分を必死でこちら側に引き止めながら、見る。 デュマスが切り抜きを参考にしたという月岡芳年の浮世絵「奥州安達がはらひとつ家の図」も飾られており、息をのむ。 正視したくないと思うのに、目が勝手に絵の方へ吸い寄せられる。 デュマスと親交のあるオランダのアーティスト、マライケ・ファン・ヴェルメルダムの映像作品も展示されている。 青空をバックに、見事な桜の木の枝だけを延々撮った作品。 題名の過激さと内容がさっぱり合わないので、ふしぎに思ってしばらく見ているうち、合点がゆく。 体の中で、ざーっと血が逆流する。 ああ、すごかった! 絵に殺されるかと思った。 デュマスの絵はあぶない。 すごいエネルギーが塗り込められていて、見る者を存在ごとぐわんぐわん揺さぶる。 学生のころ、初めてヘンリー・ダーガーを見たときの衝撃に似ている。 また見にいってしまいそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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