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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2008.03.17
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カテゴリ:音楽日記




原田郁子ちゃんの新しいソロアルバム「気配と余韻」が届く。
いきなり聴いてしまうともったいないから、テーブルにおいて、特典のCDブックをめくってみる。
コラージュやイラスト、自由なアートワークがすてき。
日々行ったり来たりしながら、不安な日もあるだろう、けれど胸の中にすむアーティストの女の子を、大切に守りつづけている人の作品だ。
気がすむまで眺めたところで、プレーヤーにのせる。
本も雑誌も閉じて、郁子ちゃんの音楽を聴くためだけの時間。

静かなピアノと、つぶやくような郁子ちゃんの声。
クラムボンの音楽が、世界を外に向かって押し広げてゆくイメージなら、ソロアルバムは内側へ内側へ、深く掘り下げてゆく感じ。

1曲め「やわらかくてきもちいい風」、いま書いているお話の主人公のイメージにぴったりで、わたしの心のテーマソングにしようと勝手に決めた。

 ごめんね まだ 帰れないや
 旅を つづけなくちゃ

5曲め「Drifter」はキリンジのカバー。
漂流者、流れ者という意味のタイトル。

 たとえ鬱が夜更けに目覚めて
 獣のように襲いかかろうとも

というところ、胸に差し込んでくる。切なくて息が止まりそう。
心の奥の奥、いちばん目立たない引き出しにしまったはずの記憶がどうしようもなくあふれ出し、それらがまだちっとも色あせてなどいないことにはっとさせられるような。
郁子ちゃんは声を張り上げて歌っているわけじゃないのに、ぐっと体の芯に入ってくる歌い方なのだ。

一日一回と決めて大切に聴くつもりだったのに、あんまりいいアルバムなので何度も、何度も繰り返し聴いてしまった。
聴きながら急に絵を描きたくなって、クレヨンを引っ張り出してきて描いてみたり、浮かんでくる言葉を詩のように書きとめてみたり。

宝物が、またひとつ増えた。





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Last updated  2008.03.17 19:45:30
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