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テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:音楽日記
菊地さんのオーチャードホール公演、第二夜(ペペ・トルメント・アスカラール)を聴きに出かける。 去年のオーチャードは結婚式準備と時期が重なって行けなかったから、ホール公演は九段会館以来、一年半ぶり。 おともだち青豆ちゃんの入念な下しらべのおかげで、開演前、優雅にドリンクもいただく。 夜想曲の名前を持つフランスのシャンパーニュと、イタリアの赤ワイン、タウラージ。 本番直前、客席が闇にしずんで開演ブザーが鳴る瞬間がすき。 「ようこそ、異次元へ」といざなわれるようで。 チケットを取るのが遅くなったので、今夜は二階席。とは言え最前列なので、視界をさえぎるものもなく、ホール全体をゆったり見わたせる。 第一期ペペに比べて、オーケストラ(と呼びたい、バンドではなく)全体の音のまとまりがよくなったように思う。あるいは、二階席で聴いたせいかもしれないけれど。 セットリストの構成もすばらしくて、どのレパートリーが客席にどんな影響をおよぼすか、その繊細な効果も、菊地さんはすべて計算ずみ、という感じがした。 序盤、「京マチ子の夜」と映画音楽メドレーに心をわしづかみされる。 幕間をはさんで、「プラザ・レアル」から「大天使のように」、そしてクライマックス、「ルペ・ベレスの葬儀」に至るころには、オーチャードホールにすむ音楽の神さまが起きだして、ステージに祝福の雪を降らせていた。 帰りみち、無数の音があふれる渋谷の街を歩きながら、不協和音の後に甘く美しい旋律があらわれる、という菊地さんの曲の組み立て方は、それ自体が前奏曲のようなチューニングの後、第一楽章が始まるクラシックコンサートの形式によく似ているなあ、と思う。 ちょうど音楽にかんする文章を書いているので、甘やかな余韻とともに、いくつかの重要な発見も得ることができた。 今夜ともしたエレガンスの灯を、次のホール公演までたやさずに守りつづけるのが次の一年の目標。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.12.07 23:38:21
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