本読みのひとりごと

このところ、おおはた雄一さんのあたらしいアルバム「Music From The Magic Shop」を、毎日欠かさず聞いている。
日常のすきまで、句読点みたいに。

それはたとえば「よし、今日もがんばるぞ」の合図だったり、
夕方、家人に「おかえり」を言う前の、ひとりの時間のしめくくりだったり、
自転車に乗って、どこかへ向かう途中だったりもする。
なんと言っても効果絶大なのは、夢の世界へ出かける前。
からまった気持ちもするするほどけて、ぐっすり眠れる。

おおはたさんのギターと歌はあたたかいお茶みたいにほーっとして、体が芯からぬくくなるので、冬にぴったりだ。
繊細な指づかい（ＣＤでは見えないけど、耳をすませばわかる）。包みこむようなやさしい声。
甘さもあるけど、ほろ苦さもある。
だから自分を忘れそうなとき、おおはたさんの音楽を聴くと、すっとまんなかに戻れるのかもしれない。

「While you are sleeping」でくり返されるレールのひびき、それから原田郁子ちゃんが詞をつけた「As time goes by―時がたてば」の切なさも好き。
アルバムのプロデュースは、ジェシー・ハリスとリチャード・ジュリアン。
何回か通して聴いたところで、声とギターのぬくもりは変わらないまま、おおはたさんは新しい場所を見つけたんだなあと気づく。
旅するギター弾き、スナフキンのおおはたさんはこれからどこへ行くんだろう。どこへ連れていってくれるのかな。

　＊

今年のクリスマスイブは、ハチミツとレモン汁をたっぷりかけたパリパリのローストチキン、それに、あめ色になるまで炒めた玉ねぎでオニオングラタンスープを作りました。
今年１年、ぶじに料理をさせてくれた台所の神さまと、いつもよろこんで食べてくれる家族に感謝。

クリスマスを過ぎて、ぐっと寒くなりました。
みなさまもどうかお体に気をつけて。