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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
biscuit5750@ Re[3]:子どもを持つことの不自由と、自由(11/17) >バーソロミューさん お久しぶりです! …

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2009.02.08
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カテゴリ:美術館日記
紅梅

美術館が好き。
絵を見るのはもちろん、そもそも、美術館という種類の建物の中で過ごすことが好きなのだと思う。
話題の展覧会で余程混んでいるときは別として、いつおとずれても、美術館には均質な静けさと緊張が満ちている。
温度や湿度が一定なのは作品を護るためだが、結果的に、人間にとっても安らげる環境が保たれている。

わたしたちはふだん、さまざまな刺激(音や、文字や、光)の中で暮らしているが、美術館には基本的に、たった一種類の刺激しかない。
だから自然に、心が内へむかう。そういうところも好き。

展示室に足を踏み入れ、絵と向きあう。
好きな絵の前に立って(ソファがあれば座って)ぼうっとしていると、あるとき、絵と通じあったような、ふしぎな気持ちになることがある。
色彩を体の中にとりこみ、骨や筋肉や毛細血管のすみずみにひびかせて、その音色を楽しむ。
色がわたしを動かし、わたしが色の中でゆらぐ。
一枚の絵の前にじっとしたまま、けれど心は時間も道のりも越えて、どこまでも旅してゆく。
人の心に感受性や想像力の畑があるとしたら、そのかわいた土に、大きなじょうろでじゃぶじゃぶ水をかけるような感じ。
水はふんだんにあり、いくら汲み上げてもなくなることはない。

よい時間をすごした後、腰を落ち着けて余韻にひたることのできるカフェなどあれば、天国。
と言って思い出すのはブリヂストン美術館のカフェ「ジョルジェット」。
店の名前は、ルノワールの絵画からきている。
青いドレスに身をつつみ、ふっくらしたばら色の頬をもつ、青い目のジョルジェットお嬢ちゃんは美術館のアイドルだ。

カフェの名物はサンドイッチ。11時の開店で、だいたいお昼すぎには売り切れてしまう。
朝ねぼうせずに何とか間に合って注文すると、白いお皿に、画家のパレットみたいな色彩のサンドイッチが盛られてくる。
それをひとつずつつまんで、天井の高い、白くてあかるい店のなかで食べる。
紅茶をたのむとポットで運んできてくれて、店員さんがいつもこう言うのだ。
「茶葉は抜いてありますので、どうぞごゆっくりお召し上がりください」
それでお客は紅茶がしぶくなる心配もなく、のびのびと長居することができる。

開館から閉館まで、一日じゅうでも展示室とカフェを行ったり来たりしてすごせる。大好きな場所。





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Last updated  2009.02.08 21:15:06
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