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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2009.02.20
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カテゴリ:美術館日記
新芽(サクラ)

クレーの展覧会をみる。
ドイツの美術館(ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館)がリニューアルのため休館することになって、所蔵作品がたくさん日本に来ているのだ。
ドイツの美術館がどんな傾向で絵画を集めているかなんて、ドイツを訪れないかぎりなかなか知る機会がないから、とても興味ぶかく見る。
シュールレアリズムと、フォービズムからキュビズムの絵が多い。でも、いちばん多いのはクレー。

クレーの絵は、親密さをたたえている。
パステル調のあたたかな色づかい。ぬくもりのある線。
クレーの絵には、音楽がある。
のびのびと、うたい踊るような構図。
それはたぶん、クレーがバイオリン弾きだったことと無関係ではない。

展覧会で初めて知ったのだが、パウル・クレーは前衛芸術家としてナチス・ドイツの迫害を受け、スイスに亡命して絵を描きつづけたのだという。
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館がクレーのコレクションをまとめて買いとったのも、歴史の反省に立って、ということらしい。
作品の外で画家がたどった運命を知ると、このかわいらしい、楽しげな絵を描くために、どれほどの心のつよさ(たくましさとは少しちがう)が必要だったか、思いを馳せずにはいられない。




展覧会を見る前に、予習のつもりで買った「クレーの絵本」は、クレーの絵に谷川俊太郎が詩をつけた詩画集。
印象的な色と言葉がたくさん散りばめられているが、中でも好きなのは、冒頭に置かれた「愛(Paul Kleeに)」という詩。
リズムがあり、語感が気持ちいい。
声に出して読むと、晴れた朝みたいに心がひろびろ、せいせいとする。
クレーの作品と向き合うときの安らいださわやかな心もちを、この詩はとてもよくあらわしていると思う。

それは、こんな書き出しではじまる。

  いつまでも
  そんなにいつまでも
  むすばれているのだどこまでも
  そんなにどこまでもむすばれているのだ
  弱いもののために
  愛しあいながらもたちきられているもの
  ひとりで生きているもののために






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Last updated  2009.02.20 14:32:59
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