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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2009.04.25
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カテゴリ:音楽日記
ハナミズキ

2週間前に届いてから、日が沈むと毎日聴いている音楽。



菊地成孔・南博「花と水」。
サックスとピアノを中心に構成された、しずかで端整なアルバム。
どこまでも透明で、切ない音色。
だけどぎりぎりのところで悲しいほうへはゆかず、かぎりなくやさしい。

好きなのは「ラッシュ・ライフ」。
心がしゃぼん玉になって、都会の夜空に高く、果てしなくのぼってゆくような解放感。
高揚と、胸が焼けるような甘さ。

それから、バッハのチェンバロ協奏曲。
何気なく聴いているつもりだったのに、1分をすぎたあたりで、つつ…と自分の目から水が出てきておどろく。
菊地さんのサックス、低音部が木管のようにやわらかいので、はっとしてスピーカーを振り返ってしまう。

あたらしいCDを買うと、それが好きなアーティストの作品でも、体の奥に入ってくるまで2、3回は聴き返すことが多い。
でも、どういうわけか、菊地さんや南さんの音はちがう。
最初の1回で、あっという間にいちばん深いところをさらわれる。
水面にあらわれた波紋を見て、わたしは自分の心に泉があったことに気づかされる。
ほかの誰も入りこめない、外界の何にも影響されることのない聖域。
そのほとりに、ひとり満ち足りてたたずんでいるような気持ちになる。

たったひとつの旋律が、明日を生きのびる理由になる夜も、人生にはたしかにある。
この世界に彼らの音楽があって、ほんとうによかった。





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Last updated  2009.04.25 21:50:40
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