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カテゴリ:音楽日記
仙台で、おおはた雄一さんのライブを聴いてきました。 仕事が終わった後、ひとりで車を運転して、峠(!)を越え、繁華街のパーキングに車を入れ、ひとりでバーに入って、ライブを聴く。 この一連の流れは、半年前のわたしなら、いろいろな理由(おもに運転技術の不安…)から考えられなかったことだなあ! 週末の定禅寺通りは、昼間のうだるような暑さを夕暮れの涼しい風がなだめていて、とっても気持ちいい。 道ばたで誰かが吹くサックスの音が天高くのぼってゆくのを、リラックスした休日の人びとが足をとめて眺めている。 大通りに面したコーヒーショップでサンドイッチとアイスコーヒーの軽食をとり、会場のバーにむかう。 ほんとうはジンバックでものみたい気分だけれど、今夜は、自分で自分を家まで連れて帰らなくちゃ。 背の高いスツールに腰かけて、グレープフルーツジュースをちびちびと飲む。 おおはたさんがあらわれて、ぽろろんとギターのチューニングを始める。 ああ、帰ってきたなと思う。 またここに来ることができた。 ライブが終わって、夜の街に吐き出される。 音のヴェールに全身すっぽり包まれているみたいで、街明かりに現実感がない。 頭のてっぺんからつま先までいっぱいになった音をこぼさないように、体をそっと運転席に滑りこませる。 ライブはリラックスしたあたたかい雰囲気で、とてもよかった。 いつまでも終わらなければいいのに、と思う夜にかぎって、あっという間に過ぎる。 エンジンをかけて、静かにアクセルを踏み込む。 大通りに出たところでエアコンを切って窓を開けると、甘い夜のにおいが流れこんできた。 おおはたさんのライブに行くと、いつも、何日間か恋をしたような状態になる。 どこにいても、何をしても、音が身体の底に沈んでいる。 音楽を、大勢の人の前で演奏することはこわくないんだろうか、と考えることがある。 むき出しで、世界と交わること。 そういうのを突き抜けた場所で歌うから、こんなにもまっすぐ音が差し込んでくるんだろうけれど。 峠の一本道は信号もなくて、夜は特に眠くなるので、音楽のボリュームを上げ、口ずさみながら帰る。 ライブで受けとった音を胸に抱いて、明日からの日常をすこしでもいろどり豊かに暮らすのです。 だから今夜だけ、もう少し。 光を描く人/Man Drawing The Light お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.15 17:58:18
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