秋月達郎/著『水晶島綺譚』、朝日ソノラマ (ISBN:4-257-79052-0) 2005/4
評価:☆ 書店で、休みだから読み応えのある一冊をと思い、分厚さで選んだ一冊です。 ちょうど手で掴むとずっしりと重く、これ以上分厚いと片手で掴むには不便と思う一歩手前の分厚さです。重さで選んだにもかかわらず、けっこう楽しく読み進めてしまいました。 基本的にはミステリですが、ホラー、SF、スプラッタ、微妙な線上にあり、どっちつかずでもあり、グロくなり過ぎるのを防いでもいます。 お話としては、愛知県の沖合いにある水晶島で行われる同窓会、そこで出会う旧友達は高校卒業時に残虐かつ不思議な事件を体験していたが、その後の人生と先の事件、さらに親の世代に起こったある出来事がからんで、犠牲者が同窓生の中から…、事件と島の秘密との関連は?といったところ。 SF読み、あるいは仮装戦記ファンとしては、オイオイとつっ込みたくなる点もあいますが、あくまで同窓生の人生の絡みがメインの小説で野暮なツッコミをしても意味ないと思いますから、☆一つを差し上げます。なにより分厚いですから、たっぷりな時間を楽しませてくれた事にお礼を申上げます。