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カテゴリ:教養・実用
萩野貞樹
『旧かなづかひで書く日本語』 幻冬舎新書 これ読んで、ちよつと勉強しさへすれば、誰でも旧かなづかひを使ひこなせるやうになる。 前々から興味関心はあつたのだが、なかなか一歩を踏み出せずにゐた。たまたま書店で本書を見かけたので、早速読んでみた。読むのは古文に比べると簡単だが、書くのはやはり難しい。確かに、活用など文法を考へれば、確かに新かなづかひよりも旧仮名づかひのほうが理屈の上ではすつきりとして簡単である。しかし、例へば「い」「ひ」「ゐ」のどれを使へば良いのかなど、慣れるまでは大変だ。きつと、私のいま書いてゐる感想文にも、誤字があることだらう。とはいへ、書く練習をするのは面倒なので、旧仮名づかひで書かれた本を読んで慣れたいと思ふ。 本書で一番感心したところは、文語の短歌を新かなづかひで書かれると意味が解釈できなくなるといふ話しと、旧かなづかひで書かれた文学作品を新かなづかひに改変することの愚についてである。特に向日葵の譬へ話しは印象深かつた。現実問題として考へると、ただでさへ純文学が廃れてゐる今日、旧かなづかひで出版したのでは売れないといふ事情があるのだらう。とはいへ、作品が改竄されてゐるといふことにすら意識しない者が多いといふのはとても寂しいことである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.17 22:06:33
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