アペロクルスでの話~後編・2~
凶暴ネコと巨大ゴキブリに襲われ、なけなしでもせめてものガードにと頭までかぶった毛布が、薄手ながらも、タダでさえ息の詰まるような暑さにさらに拍車をかける。暑い。でも、怖い。。。(T_T)繰り返しますが、ぶらびは本当に本当にゴキブリが嫌いなんです・・・。なのに、日本より“多い・デカい・活発”の三枚揃い。発狂寸前。。。そうこうしているうちに、現地スタッフさんのデカイ「Good morning!!」の声で目が覚めた。どうやら少しは寝たらしかった。全然寝た気せん・・・。でも、まだ朝6時なのに・・・昨晩は起床8時って説明されたんだけど(?_?)不思議に思いつつ「Hurry up!!」とあまりにスタッフさんがせかすので、家族にいそいそと別れを告げ、言われるがままにホームステイ先を後にした。が、あとからやはり、そのスタッフさんが時間を間違えていた事が判明。その人が担当していた地域に寝ていたうちを含む数人は、ホストファミリーとの朝の交流時間がナイまま、集合場所であるNGO事務所に帰ってきてしまったのであった。でも、うちは一刻も早くあの家を離れたかったので、内心時間を間違えてくれたことに感謝した。「(ここでホームステイ)した事ある人から、チョーよかった・楽しかったって聞いてたのに・・・・もう、ホームステイなんて二度としたくない・・・ああ辛かったぁ(T_T)」と、家の独特のニオイがこびりついた自分の髪を気にしつつ、何度も何度も心の中でつぶやいた。「いい経験をしたな」ってそれを思えるようになったのは、帰国後、冷静に思い出をアタマの中で整理してからであった。こんな経験、このツアーでなければできなかっただろう。こんな家庭があるなんて、身をもってわかることはなかっただろう。スラムの不衛生さ、ボロボロの狭い家──それでも元気一杯の子供達。“貧困”の現実が、TVの向こうではなく、想像ではなく、確かにぶらびの目の前にあった。この先、授業や本で社会問題・貧困問題について勉強する時、この家族の笑顔を思い出すに違いない。ついでに、ネコと、ゴキブリも・・・みんなきっとまた会いにいくからね~!!