気になる天候も何とか豪雨にならずに済みまして、一安心なのですが、
最近の長期予報では高温多雨な秋空になるそうです。
FM山口の日曜日の9時からのプログラムに
「ラジオ版学問ノススメ」と言う番組がありまして、
有名著名な方々の興味深いお話を聞くことが出来ます。
いつぞやは荒俣宏さんで現代中国事情を紹介され、
連続テレビドラマが週に一度の放送では見向きもされず、
毎日2話の放送で視聴者がようやく納得するそうで、
なんともせっかちな国民性なのだと知らされました。
本日のゲストは作家の島田雅彦さんで、
知識における回り道・無駄・道草についてのお話で、
聞いていながら「その通り」と言いたくなるようなお話でした。
荒俣さんのように色んな情報の紹介とは違って、
教授であるご自身の学生とのやり取りから見えてくる、
現代社会における効率偏重があまりに無駄を嫌う事で、
極端につまらない教養の薄い幅の狭い人物になってしまうと言うお話でした。
学生たちが就職や試験に役に立たない事は無駄と考え、
そういった姿勢は視野の偏重を招き豊かな教養が身につかないとの事で、
おっしゃる事は非常に良く分かりますし、激しく同意致します。
実際、自らの守備範囲から外れたところに、
知識の金城湯池が存在する訳でして、
大げさに言えば人生の幅と深みが楽しめます。
島田さんのおっしゃりたい事も概ねそのような感覚で、
一生涯、あらゆる人と会話やコミュニケーションが楽しめる醍醐味は、
なんといっても道草のような知識や情報の積み重ねであり、
アウトプットするための表現力が人間関係のキーポイントになります。
考えてみれば今は世知辛い世の中なのかも知れませんし、
いい加減でおおらかな時代を過ごせた私の世代は恵まれていたとも言えます。