25日の総裁選で一騎打ちの麻生氏と福田氏。麻生派を除く全派閥が福田氏支持を表明して、それまで優勢だと言われていた麻生氏が一転して追う立場に。
福田氏支持を表明して、一緒にテーブルを囲む（何故か公開会談）各派閥の親分達の顔ときたら・・・。満面の笑みでいながら腹の内は、自分もしくは派閥の人間を大臣に任命して欲しいが為の機嫌取り。勝ち馬に乗ってうまい汁を吸おうって魂胆で、信念も理念もあったもんじゃない。

福田氏は麻生氏と正反対で、上品でソフトな印象が強い。
反対意見を述べる時は、ストレートに言わずに嫌味をネチネチ。

けど、ソフトなのは人柄だけじゃない。外交までがソフトになってしまう危険性が高い。
一番危惧されるのが北朝鮮外交。拉致問題では、圧力というムチを使わず、アメばかり与えるようになりはしないか。

靖国参拝問題では分祀を支持する立場。未来永劫とは言わないが、参拝もしない。
小泉元総理の参拝を8月15日から13日に変更させたのが、この福田氏という話も。中韓をひたすら喜ばせること請け合い。

福田総理が誕生した暁には、売国的外交をしやしないかが気がかりだ。親日的、もしくは友好的な国にはソフト外交でいいが、朝鮮半島のような「強者にひれ伏して、弱者は踏みつける」ような国には圧力をかけないと、これまでの拉致問題然り、竹島問題然り、ナメられてしまうのがオチだ。


さて・・・。


酷評され続けた安倍総理。
私は数少ない（？）同情派の一人だ。

なまじ若いために、ジイさん議員からは押さえつけられ、若手議員からは突き上げられた。
身内からは失言や事務所費問題の不祥事で足を引っ張られ続け、霞が関を敵に回したために大臣の身体検査では情報を与えられず。
マスコミはマイナス面ばかり誇張してバッシング。

その苛め抜かれようときたら、あまりにも哀れだった。
結果的に「政治とカネ」問題と「参院選の大敗」で引き摺り下ろされたようなものだが、果たして叩いて埃の出ないクリーンな議員がいるのか？　いるわけがない。

参院選に負けた後の引き際の悪さが更にバッシングの要素となったが、惨敗の原因は前政権時代からの負の遺産が影響したせいであって、安倍内閣に（内政的にも外交的にも）大失態はなかった。それに、参院選は政権選択の場ではない。

「信頼性がない」「求心力がない」と自民党議員達が言うけれど、首班指名の時、400名を越す議員が彼を支持したのではなかったか？
協力してやるどころか、風向きが悪くなると全責任を押し付けて、晒した上に誹謗中傷。
国の行く末を憂いていたのに、まだまだ公務員制度改革や憲法改正等の大きな政策があったのに、袋叩きにされて潰えてしまった格好じゃないか。
バカな日本人を量産する「ゆとり教育」の廃止と、憲法改正の為の国民投票法と、防衛庁の省への格上げができたのは幸いだったが、さぞかし無念だろうと思う。

古い自民党議員やメディアには、この3法案を成立させたスピードが脅威だったはずだ。
アメリカ占領下に作られた戦後レジームにどっぷり浸かっている彼等が、こぞって反発していた。
河野洋平衆院議長なんぞ、「戦後レジームを擁護する」と公言しているんだから性質が悪い。
（この議員は元々売国的で日本の為にならないと思っていたけれど、本当に始末に終えない）

国民もマスコミや野党に踊らされて、政治とカネ問題で大騒ぎ。こればかりに囚われて、重要な政策が頓挫してしまったことに気付いているんだろうか？
以前にも書いたが、年金問題だって、確かに政府の監督不行き届きという責任はある。だが、あれは社保庁が起こした問題である上に、何年も前に発覚していたこと。今更、現総理に全責任を押し付ける話ではないだろう。

辞任は局面の打開を図るためらしいが、組閣人事から約2週間、所信表明演説直前の辞任というのは異常事態だ。
これを無責任だとか逃げたと言うのも尤もだが、常識で考えて、一国の総裁という立場にある人間がこんな異常な辞め方を進んでするだろうか？
参院選惨敗を理由にするなら、よくあるパターン。病気退陣なら、同情さえ誘っただろう。ところが、本当に不可解なタイミングだった。
発表時に目が潤んでいたのは、こうしかできなかった（こうさせられた？）という忸怩たる思いではないか？
鳩山法相へ辞任を伝える際、総理は電話の向こうで泣いていたという。
一体、彼のブレーンは何をしていたのだ？　総理は完全に孤立していたのか？

安倍総理の辞任を最も悲しんでいるのは、拉致被害者家族。
彼らが最も信頼しているのは安倍総理であり、北朝鮮に対して最も厳しい対応をするのも彼だ。今後も引き続き、北朝鮮問題に尽力してくれたら、と思う。北朝鮮が世界で最も嫌う人物の一人なのだから。


まぁ、しかし・・・マスコミは本当に酷い。特にTBS。
辞任当日の夜のニュースで国民の街頭インタビューを流していたけれど、地元の山口県は例外として、大阪や東京は総理に対して否定的な声ばかりを選んで流していた。編集が甘い午後の早い時間のニュースだと、同情の声も出ていたのに。
東京の小学生なんて午後と夜の2回とも映っていたけれど、午後は同情的だったのに、夜は違うコメント（否定バージョン）になっている。
2通り言わされたのか、上手い具合に編集されたのか・・・TBSならやりかねない。
こういうメディアを鵜呑みにするのか、似たような声ばかり聞く。洗脳されやすい日本人が多いということだろう。


因みに、アメリカでは安倍総理の認知度（評価）は高いらしい。
例の従軍慰安婦決議に猛反発したこともあるが、日本の今後について明確なビジョンを示した点では、歴代総理の中でずば抜けているという。

内政面で批判に晒されているが、外交面では毅然とした態度を貫いたこと。重要な3法案を通したこと。
これは素直に評価すべきではないだろうか。