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テーマ:ニュース(100237)
カテゴリ:真面目に社会・時事ネタ
悩み抜き、追い詰められ、「死」しか選択肢がないというのなら、 他人に迷惑をかけるような方法は絶対に選ばないでもらいたい。 最近、硫化水素を発生させ、自殺を試みる事件が相次いでいる。 「事故」ではなく「事件」というのは、 これが不特定多数の無関係な人に被害を及ぼしているからだ。 硫化水素は空気より重い。 無風に近い状態であるほど、気化したドライアイスのようにどんどん降りていく。 集合住宅で発生させた場合、階下の住民にまでガスを吸わせることになるのだ。 この方法を用いた自殺件数がまだ少なかった頃、 自殺者の家族だけでなく、乳児を含む近隣住民、 そして現場に駆けつけた消防署員や警官もまともにガスを吸ってしまい、 重症もしくは重体となった。 今でこそ消防や警察はマスクを装着し、 近隣住民は硫黄の臭いに敏感になって避難するようになったが、 それでもこの前、避難の為に集まった駐車場へガスが降りてきて、 体調不良を訴える人が相次いだ。 はっきり言って、迷惑なのである。 無関係な人間を巻き込まないでもらいたい。 硫化水素だけでなく、最近は電車への飛び込み自殺が多い。 正確なはずの電車が頻繁に遅れ、構内がざわつき始めた頃にアナウンスが流れる。 「○○駅手前で、人身事故がありました」 それも決まって出勤時、もしくは帰宅時だ。 早く帰りたい時間帯もそうだが、忙しい出勤時にやられると、たまったものではない。 会議や約束、重要な所用を抱えている人も少なくない。 「またか!」 何人もが吐き捨てるように言う。 何故、不特定多数に多大な迷惑をかける死に方を選ぶのか。 飛び降りもそうだ。 以前、ビルの屋上から身を投げ、下を歩いていた人に激突した事件がある。 たまたまそこを通り掛って巻き添えにあったその人は、不幸にもお亡くなりになった。 上から人が降ってくるなど、誰が予想しながら歩いているだろうか。 死を選ぶ人は思考が停止しているのかもしれないが、 身を投じる前に一度は眼下を望むだろう。 その時、何人もの人が歩いているのが見えるはずだ。 ごくたまに、車道の上に架かる陸橋から飛び降りる人もいるが、 これもたまたま通り掛った車が撥ねた格好になり、運転手は警察に連行される。 罪には問われないと思うが、避けろと言う方が無理だ。 運転中、橋の上にいる人の、下を覗き込むような所為を目撃した時、 一瞬緊張して「飛び降りるなよ」と思うのは、私だけではあるまい。 他人を巻き添えにし、看過することのできない被害を及ぼした場合、 それは結果的に殺人未遂、もしくは殺人行為ではないか。 場合によっては、主義主張のない無差別テロと言えるかもしれない。 「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がある。 立ち去る者は、あとが見苦しくないよう、潔く退くべきであるという意味だ。 自分は死んで終わり。 この苦しみから逃れられたら、後はどうでもいい。 そんな考え方は、捨ててもらいたい。 不幸にも巻き込まれた被害者やその家族は、これによって背負わされた理不尽な現実と、 一生涯戦っていかなければならないのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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