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カテゴリ:日本映画(2006)
映画会社で一人勝ち状態の東宝や、某製作者を(さらに)儲けさせるのは癪にさわるのだが、2010年までに始まる裁判員制度を控え(知り合いのライターが書いていたように)「日本人必見」と思う。いや、いろいろと考えさせられる。
評価:☆☆☆☆☆ 面接へ向かう電車内で痴漢に間違われた主人公(加瀬亮)は、自分の無罪を主張し続けるが、被害者の供述と真っ向から対立することから、検察に起訴されてしまう。母(もたいまさこ)と友人(山本耕史)は右往左往するなかで、新人の弁護士(瀬戸朝香)と裁判官出身の弁護士(役所広司)に主人公の弁護を依頼するが……。 前日、3時間睡眠だったので下手したら寝てしまうかもと思っていたが、劇的な展開やアクション、お笑いがあるわけでもないのに、睡魔を覚える暇もないほど引きずり込まれて、約二時間半の上映時間はあっという間であった。 秀逸だなぁと思ったのは、本当に主人公が無罪である(痴漢行為をしていない)とはっきりとは描いていないこと。警察に連れてこられたところから話は始まり、以降、時間軸に沿って話は展開、電車内での出来事は回想という形で描写されるのみで、そのたび毎に描かれているものが(アングルとかだけでなく)違うので、100%痴漢行為をしていないとは断定できない。そういう意味では、警察での取り調べシーンを除けば、映画中の裁判官とある意味では同じ情報しか与えられてはおらず、そこで「疑わしきは罰せず」なのか「疑わしきは罰する」なのか。 細かいことでは、瀬戸朝香(弁護士)の変わっていく様(最初は辞めたがっていたのに、熱心に弁護するまでの変化)が、もう少し明確に描かれていた方がよかったような気はするが、本筋ではないのでまぁよいか。 この映画に対して日本弁護士連合会が推薦を出しているが(初めて弁護士会主催で試写会までやっている)、法務省や検察庁、最高裁判所、警察庁なども「推薦」を出すようならば、まだ日本の司法制度に対する信頼感も少しは増してくるのだけれども……。 裁判員制度 http://www.saibanin.courts.go.jp/ 『それでもボクはやってない』 【製作年】2006年,日本 【配給】東宝 【監督・脚本】周防正行 【出演】加瀬 亮,瀬戸朝香,山本耕史,もたいまさこ,役所広司 ほか 公式サイト http://www.soreboku.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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