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分太郎の映画日記

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2007.03.26
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 アテネ・フランセ文化センターで開催されたイスラエル映画祭2007にて鑑賞(2007/3/24)。

 評価:☆☆

 個々の映画の完成度は必ずしも高くはないが(いずれも話の展開というか締めが中途半端な感じ)、イスラエルの“今”を切り取った作品群として、関心のある人にはお薦め。
 個人的には、『クロース・トゥ・ホーム』と同じく女性兵士を軽妙なタッチで描いた『後任者』が良かったかな。


イスラエル短編作品選集

闘鶏』 Cock Fight
【製作年】2001年、イスラエル
【監督・脚本】シガリット・リフシッツ
 強い日差しがさんさんと降り注ぐ中、炎天下、たくさんのニワトリを荷台に載せた、イスラエル人男性の車が荒涼とした土地を進んでいる。パレスチナ側によって設置された検問所を通りかかった際、無線による連絡で検問所は封鎖されてしまう。炎天下でニワトリが死んでしまうと詰め寄るが、聞き入れてもらえない。検問所の責任者が、かつて自分の下で働くパレスチナ人「労働者」だったことがわかり、また車に同乗するルーマニア人の作業者を巻き込んで、にらみ合いが続くが……。
 階級はいつまでも消えないことを皮肉った作品。だが、今ひとつ背景が分からず楽しめなかった。

兵士』 Soldat
【製作年】2001年、イスラエル
【監督・脚本】シャローム・ハガル
 ユダヤ教の超正統派に属し、宗教学校で法律を学ぶ22歳のアロンが、私は広い世界を見たいと、学校を辞めてイスラエル軍の兵士を志願するが……。
 ドキュメンタリー・タッチの作品だが、ラストでどんでん返しがある。うーん、これもよく分からなかった。「ユダヤ教の超正統派」と軍隊をからかっているのだとは思うが……。

すべるフローラ』 Sliding Flora
【製作年】2003年、イスラエル
【監督】タルヤ・ラヴィ
 その風変わりなオープンカフェでは、ウェイトレスがお盆を片手に滑り台を下りて、お客のテーブルに注文の品を届けていた。ウェイトレスのフローラはひどく不器用でかつ夢見がち。滑る度に料理を落したり、スカートが脱げてしまったりと失敗を繰り返し、支配人から睨まれている。新入りのロシア人調理師だけが彼女を勇気づける。そして、ついには回顧されてしまうが、ほのかな幸福の予感が……。
 舞台設定が非常に面白いので、話にもう一捻りあったならば傑作になったのではないかと思う。
 でも、こんなカフェが実際にあるのだろうか? 滑り降りるメリットは何もないような……。)

後任者』 The Substitute
【製作年】2005年、イスラエル
【監督】タルヤ・ラヴィ
 女性兵士ゾハラは、砂漠の中に位置する勤務地である基地を離れなくてたまらない。ようやくテルアヴィヴへの転属のチャンスが訪れたが、仕事を教えていた後任の女性がトイレで自殺を計ってしまう。事なきを得たものの、上官に狂言だったと証言させて、任務を全うさせようとするがうまくいかず、軍医をたらしこんで書類を捏造して、何とか転勤が実現しそうになるが……。
 軍という閉鎖空間が女性兵士に及ぼしている抑圧性が活写された佳作。





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最終更新日  2007.03.26 16:04:35
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