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カテゴリ:私の居場所 番外編2
1.<エデンの想い>
エデンはギルドホールで、こっそりヒロの帰りを待っていた。 今日は、どうしても言いたい事があるのだ。 明日はギルドバトルがある。 勝負とはいえ、命を落とす事になるかもしれない。 心配だった。 だって、ヒロは突っ走るタイプだから。 戦況が不利でも、立ち向かっていくタイプだから。 ギルドバトルをやる事には反対だった。 ジェネシスはまだ弱いギルドだし、ヒロが傷つくのを見たくなかったからだ。 エデンは明日の事を考えると、いてもたってもいられなくなり、 ギルドホールの外で待つ事にした。 既に日は暮れ、町の露店商人が店をたたむ姿が見える。 「ヒロ遅い。」 エデンはそう呟くと、ギルドホールの入り口に座りこんだ。 しばらくそうしていると、向こうの方から近付いてくる、ヒロらしき人影が見えた。 エデンは立ち上がると歩み寄り、声をかけようとしたが、隣に人がいるのを見て、 口をつぐんだ。 「あれ、エデン。どうしたんだ~?」 「エデン、こんばんは。」 ヒロは一人じゃなかった。 最近ギルドに加入した女剣士のアヤカと一緒だった。 「ちょっと涼んでたの。ヒロには関係ないでしょ。」 「あっそ。行こうぜ、アヤカ。」 そう言うと、ヒロはエデンの横を通り、ギルドホールの中に入っていった。 アヤカもそれに続いた。 アヤカがギルドに加入してから、ヒロはアヤカと一緒に行動する事が多くなった。 エデンはその事を、あまりよく思えなかった。 嫉妬するなんて、バカみたい。 自己表現する事が苦手なエデンは、想いとは裏腹に、いつもヒロとは喧嘩になってしまう。 正直、素直なアヤカが羨ましかった。 待ってたのに。 エデンは苛立ちを覚え、とてもヒロ達がいるギルドホールに入る気分になれなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.27 19:23:20
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