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2010.06.27
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2.<嫉妬>

結局、ヒロには何も言えないままエデンはギルドバトル当日を迎えた。
エデンは早々に準備を済ませると、一人会場に向かった。
本当はヒロと行きたかったが、朝から姿が見えなかった。

ヒロは、アヤカと一緒にいるのかしら...?

エデンにまた、嫌な感情が沸く。

もう、考えるのはよそう。
ギルドバトルに集中しなければ。

会場に足を踏み入れると、クロノスとヒロとシュンとたかちゃんの姿が見えた。
ユナとアヤカはまだ来ていないようだ。

良かった、ヒロはアヤカと一緒じゃなかったのね。

「あ、エデン!こっちこっち!」

たかちゃんが人混みの中でエデンの姿に気付き、手招きをした。
エデンが所属するギルド、ジェネシスのメンバーは固まっており、
他のメンバーの到着を待っている様子だった。

「皆、早いのね。」

「ああ、あとアヤカとユナだけだ。」

クロノスは、その間に受付を済ませてくると言い、離れて行った。
会場には沢山の人がいた。
歩けばすぐ人にぶつかるぐらいだ。
露店も沢山出ており、回復剤や増強剤を中心にアイテムを売っていた。

「私、アイテム買ってくるわ。」

エデンはそう言い、露店に立ち寄った。

自分の分はもう買ってあるんだけど、ヒロに何かあった時の分を買わなきゃ。

「おじさん、このポーション貰うわ。」

「まいど!」

エデンが買い物を済ませ、ジェネシスのメンバーのもとへ戻った時には、
受付を終えたクロノスが既に帰ってきていた。

そこへタイミングよく、アヤカとユナが現れた。

「時間までここで待機するから。」

クロノスはそう言い、公園にあるようなベンチを指さし、
一行はそこに腰かけてギルドバトルの開始時間を待った。

エデンはわざと、ヒロの隣に腰掛けた。
何か話さなければと思ったが、緊張して、何を話していいかわからない。
ヒロの横顔を見やると、今までになく真剣な顔をしている。

その時、

「アーク!」

アヤカが誰かを呼ぶ声がした。
驚いて、エデンはアヤカを見た。

アヤカはベンチから立つと、アークと名前を呼んだ人物に駆け寄った。
何か話をしている様子だが、ここから内容までは聞き取れない。

「誰かしら...」

エデンは今まで会った事がない人物だったが、ギルドの紋章を見ると
どうやらエンジェルのギルドの人らしい事はわかった。

アヤカはアークと会話を終え、握手するとベンチに戻ってきた。

「アヤカはあ~いうのが好みなのか。」

ヒロが呟くように言った言葉を、エデンは聞き逃さなかった。

「え?」

ヒロはアヤカに見つめられると、そっぽをむいた。

な、なに。今の。
やっぱりヒロ、アヤカの事が好きなのかしら...

ふつふつと、嫌な感情がまた顔を出した。

時間になり、ギルドバトルが行われるフィールドへの道が開かれた。
魔方陣の中に入れば、ワープできるようになっている。
エデンは戦いに集中できないまま、魔方陣へ飛び込んだ。






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Last updated  2010.06.27 19:30:59
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