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カテゴリ:私の居場所 番外編2
2.<嫉妬>
結局、ヒロには何も言えないままエデンはギルドバトル当日を迎えた。 エデンは早々に準備を済ませると、一人会場に向かった。 本当はヒロと行きたかったが、朝から姿が見えなかった。 ヒロは、アヤカと一緒にいるのかしら...? エデンにまた、嫌な感情が沸く。 もう、考えるのはよそう。 ギルドバトルに集中しなければ。 会場に足を踏み入れると、クロノスとヒロとシュンとたかちゃんの姿が見えた。 ユナとアヤカはまだ来ていないようだ。 良かった、ヒロはアヤカと一緒じゃなかったのね。 「あ、エデン!こっちこっち!」 たかちゃんが人混みの中でエデンの姿に気付き、手招きをした。 エデンが所属するギルド、ジェネシスのメンバーは固まっており、 他のメンバーの到着を待っている様子だった。 「皆、早いのね。」 「ああ、あとアヤカとユナだけだ。」 クロノスは、その間に受付を済ませてくると言い、離れて行った。 会場には沢山の人がいた。 歩けばすぐ人にぶつかるぐらいだ。 露店も沢山出ており、回復剤や増強剤を中心にアイテムを売っていた。 「私、アイテム買ってくるわ。」 エデンはそう言い、露店に立ち寄った。 自分の分はもう買ってあるんだけど、ヒロに何かあった時の分を買わなきゃ。 「おじさん、このポーション貰うわ。」 「まいど!」 エデンが買い物を済ませ、ジェネシスのメンバーのもとへ戻った時には、 受付を終えたクロノスが既に帰ってきていた。 そこへタイミングよく、アヤカとユナが現れた。 「時間までここで待機するから。」 クロノスはそう言い、公園にあるようなベンチを指さし、 一行はそこに腰かけてギルドバトルの開始時間を待った。 エデンはわざと、ヒロの隣に腰掛けた。 何か話さなければと思ったが、緊張して、何を話していいかわからない。 ヒロの横顔を見やると、今までになく真剣な顔をしている。 その時、 「アーク!」 アヤカが誰かを呼ぶ声がした。 驚いて、エデンはアヤカを見た。 アヤカはベンチから立つと、アークと名前を呼んだ人物に駆け寄った。 何か話をしている様子だが、ここから内容までは聞き取れない。 「誰かしら...」 エデンは今まで会った事がない人物だったが、ギルドの紋章を見ると どうやらエンジェルのギルドの人らしい事はわかった。 アヤカはアークと会話を終え、握手するとベンチに戻ってきた。 「アヤカはあ~いうのが好みなのか。」 ヒロが呟くように言った言葉を、エデンは聞き逃さなかった。 「え?」 ヒロはアヤカに見つめられると、そっぽをむいた。 な、なに。今の。 やっぱりヒロ、アヤカの事が好きなのかしら... ふつふつと、嫌な感情がまた顔を出した。 時間になり、ギルドバトルが行われるフィールドへの道が開かれた。 魔方陣の中に入れば、ワープできるようになっている。 エデンは戦いに集中できないまま、魔方陣へ飛び込んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.27 19:30:59
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