白樺の物語。
子供の頃に白樺の物語を読んだ。 老いた白樺の樹と、若い白樺の樹が二本並んで居る。 風に吹かれて老いた白樺は美しい音を奏でるが、若い白樺はまだまだ到らない。 老いた白樺は一生懸命に若い白樺に歌を教えるが、ある嵐の夜、ついに根元から折れてしまう。 まだ美しい声で歌う事を習得していない白樺は、淋しさと絶望で嘆き悲しむ。 老いた白樺はキコリが自宅へ持ち帰り、薪にする。 暖炉に焼べられた時、老いた白樺ははぜながら最後の歌を歌う。若い白樺にその声が届くように。 若い白樺はその声を聞き、共に歌う。老いた白樺が焼き尽くされる頃、美しい音色を奏でられるようになる。 やがて老いた白樺の跡に、新しい白樺が命を持つ。若かった白樺は、その新しい白樺に、また美しい歌を教える。 こんな物語を書きそうなのは、「泣いた赤鬼」の作者?ど忘れして作家名が出て来ないわ(~ヘ~;) その中でキコリが「白樺は焼べると良い匂いがする」と言っていたような気がする。 スキー学習で小枝を拾い、家で燃やしてみたんじゃないかな。小学生時代のアタシは。 帰省ってイヤだ。 あたし自身があまりにも自己愛が強く、思い出に縛られ過ぎてるせいなのだろうと思う。 老いてしまえば体ごと記憶さえも、この世から消滅するだけなのに。