いまさら「世界の中心で・・・」を見て
「世界の中心で・・・」「アンパンマン」「ハンナとその姉妹」「アンパンマン」「理由なき反抗」「N響アワー」「ピアノ・レッスン」「アンパンマン」「アンパンマン」「アンパンマン」・・・これが、我が家のHDDレコーダーの中身です。(溜まっている・・・)で、「世界の中心で愛を叫ぶ」をHDDレコーダーに録画されて1年以上経ってから見ることに。話題になって、小説はすぐに読んだのですが、じつはあまりピンと来ていませんでした。やっぱり、単なる作られたベストセラーなのか、というのがそのときの感想でした。さて、映画を観た感想は、メッセージが明確で「良かった」です。小説でピンと来ていなかったのは、結局、悲しくて淡い思春期の恋の思い出を、主人公がどう処理したのかを、私が読み取っていなかったからのようです。それを、映画ではテープのメッセージに残し、言葉で明確に伝えています。これは、自分の読解力のなさを反省するとともに、万人に分かりやすい映画を作った方々に賛辞を送ります。やはり、過去の思い出はそれで良いとして、遺された者は今を生きるしかない。そして、先に旅立つ者もそれを望んでいるのだということ。そのことをようやく理解して、新しい人生を送ろうと心を晴れ晴れとさせる。この映画の肝はラストシーンだし、そこまでは完全に前フリということですよね。で、小説も本棚の奥から取り出してきて読んでみると、たしかにラストシーンはそうなっているんですよ。ただ、小説らしく、そこは読み取らなければならない。ようやくこの話の良さが分かった、という気分になりました。数秒のラストシーンが100のうちの99を伝えるというのは、「ライフ・イズ・ビューティフル」を連想させますね。んで、思い出したこと。私の妻は、地井武男さんが、奥さんが亡くなって1年で再婚して、ちょっと怒ってました。(大きなお世話なんですが)奥さんがなくなったときにはあんなに悲しんでいたのに、よくまぁ1年ぐらいで再婚したわね、という感情だそうです。私が冗談で、「お前が死んだら再婚して良い?」と聞くと、「まあ、7回忌が終わってからぐらいだったら許す」とのこと。でも、死ぬ間際には、気持ちは変わるのかもしれません。「今を大切に生きてね」って、言うかもしれません。分かりませんが。