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すばらしい僕ら

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2005年07月10日
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カテゴリ:金融
調停員は男女のペアで、男性は五十歳代前半、女性は四十歳代後半といった
ところでしょうか。男性は黒っぽいスーツ、女性は水色のスーツで、いずれも
きちんとした身なりでした。

二人とも、部屋に入るやいなや、私をはっきりと見据え、それでいて威圧感
がある風でもなく、笑顔というよりは自然な明るい表情で、私に接していた
と思います。女性の調停員が先に口を開きました。



「おお、この部屋は特に暑いですねえ、クーラーを入れましょう。」


「どうも、初めまして、齊藤と申します。この度はお世話になります。」


「大変でしたねえ、齊藤さん。調停員の山田(仮名)と申します。」



落ち着いた口調でゆっくり山田と名乗った男性の調停員は、すぐ後ろに下がり、
女性調停員が私の前に出ました。



「同じく調停員の吉田(仮名)です。少しでも良い条件で終われるよう、
がんばりましょう。」



女性調停員はやはり私の目をはっきり見て、言いました。
落ち着いた態度、ゆっくりとした口調、優しげな表情、相手の目をしっかり見据えて
確実なコミュニケーションを取ろうとする姿勢、全体的に頼りがいのありそうな

雰囲気、挨拶を交わしただけで、二人とも、特殊な状況で人に接するプロである
ことが分かります。
心情的にはこの二人に任せきってしまいたかったのですが、

もう、何でも自分で確認することが大事だと、今回の件で学習した私は、
先ほどまでの強い緊張感ではなく、程よい緊張を感じながら、
自分のために、いやらしく、冷静に相手を値踏みするような心持になりました。

自分でも、よく集中できているのが分かりました。



「はい、よろしくお願いします。」



私たちは席につき、私の真正面に山田さん、私から見て山田さんの右に
吉田さんが座りました。
話はほとんど山田さんが進め、吉田さんは見守るような様子で、

ほとんど口を開くことはありませんでした。





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Last updated  2005年07月10日 20時18分30秒
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