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カテゴリ:民研サークル
「岩国作文の会」2月例会に参加しました。やはり、江頭啓之先生のレポートからは、日々苦悩している問題に向き合うためのヒントをたくさんいただきました。
レポート「『受け止め合う関係』と人権~学テも改憲も超えていく作文教育を~」 子どもたちのほとんどが様々な困難を抱えている5・6年の腹式学級。「人権」を中心テーマにして、具体的な取り組みを重ねてきた素晴らしい実践レポートでした。すべてをお伝えすることなど到底できませんが、私の要約で若干報告してみたいと思います。 ……………… 昨今、「コミュニケーション能力」重視で、「伝え合う力」が研究テーマとされることが多いですが、その前提に「受け止め合う」関係が必須。しかも「伝え合い」は、「高め合う」関係へ発展することで、子どもたちは成長する。 江頭先生の実践のスタートは、学級だより「てのひら」No2を使った学級びらきでした。「受け止め合い、伝え合い、高め合うなかまになろう」の合い言葉を具体的にわかりやすく伝えています。その最後には、 ☆「受け止め合う」…相手の気持ちをそっと「てのひら」でつつむしぐさ ☆「伝え合う」…自分の気持ちを「てのひら」にのせて相手にわたすしぐさ ☆「高め合う仲間」…お互いの「てのひら」をつないで空に向かってせのびをしているしぐさ と担任の思いを目に浮かぶイメージで伝えています。 その一番の土台となる「受け止め合う関係」づくりは「積極的な人権保障」であるという発見が、更に彼の実践を確かなものにしていました。 「積極的な人権保障」について…憲法の三原則のうち、「基本的人権の尊重」は自由権や社会権、平等権等に分類されるけれど、それらはただ、憲法に書いてあることをもって「自動的に保障」されるものではないということが12条に示されている。 【この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。…】と。 つまり、「幸せ(積極的な人権保障)を自ら創り出す努力をすること」が保障されていると読める。 この視点で学校生活を見直してみると、子どもたちが、「幸せを自ら創り出す努力」を体験できたか、味わうことができたか…私たち教職員がどれだけそれを意識して教育実践に取り組んでいるか。 「積極的な人権保障」の出発点としての「受け止め合う関係」づくりによって「幸せを自ら創り出す人間」が育つ教室が生まれる。 個々の取り組みについて…道徳「中くらいの3つのまる」や、金森俊朗先生の本からヒントを得た朝と帰りの会での「お知らせ・相談」、参観日での「権利の熱気球」、「戦争と原爆」「宗教とキリスト教の弾圧」「ハンセン病と人権」等々… 彼が語る子どもたちの変化は歴然でした。学年末に向けて、まだ彼の実践は続いています。今日の例会のためにまとめられたレポートで、問題提起の段階だということです。報告を聞いた私たち自身も、彼の実践からもらったヒントを自分の実践に生かしてみたいと思います。そして、再度、彼の最終報告を聞きしたいと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.19 11:24:08
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