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2014.03.03
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カテゴリ:民研サークル
土曜日は、日生連山口サークルの例会に参加するために、高速を走って山口へ。

日生連のめざす「生活教育」は、教育を単に知識の教授に限定せず、子どもの生活に根ざし、子どもを主体的な生活者に育てようとする教育で、その思想的源流はルソーに、実践的源流はペスタロッチに求めることができます。「学びの主体は子ども」という視点で実践研究をしています。私は山口大学の研究室OBとしてずっとこの会に関わることが出来て本当に幸せだと思っています。

恩師の外山先生のご好意に甘えて、岩国・下松光メンバーは、又々、手作りの野菜料理をご馳走になりました。昼食を頂きながら、各自の情報交流や金森先生の「いじめをノックアウトスペシャル特別編」を視聴しての感想交流もして、お腹も頭も豊かな時間となりました。

以下、例会内容のメモ。
…………………………
◯レポート1…秋に市教研でされた道徳の研究授業の考察という形で、Sさんの言葉(表現)にこだわった国語科授業の提案でした。「教科の学習を深めていけば、自ずと道徳教育になる」という立場を明確にした上で、「スイミー」「お手紙」の授業報告。「スーホの白い馬」での子どもたちの読みも含めて、子どもたちが注目する言葉やそれへの気づきを中心に学習を進められていました。Sさんは文芸研での学びを生かしつつ、授業では「子どもたちと作品の宝探しをする」「自分が気づかないことを子どもたちが気づかせてくれる」と。…まさに子ども主体の「子どもの力を借りて学びをつくる」実践でした。

◯レポート2…先週年休をとって下松のFさんの公開授業(2年)を参観にいきました。その報告と討議。国語「ニャーゴ」の授業は、チャイムのない五時間めの開始は、自主的に二人の女の子が前に出て前時の振り返り感想発表から始まりました。どの教科もそうしているとのこと。Fさんの淡々とした読み聞かせの後も、次々と立ち上がる子どもたちの発言が続き、時々Fさんの小さな声が聞こえました。子どもたちの一人ひとりの発言の長さと共に、更には、それを最後まで聞く子どもたちの姿に、参観した私たちは感動しました。特に、自分の思いを何度も何度も言い換えながら最後まで発言した女の子と、それをずっと聞いて待つ子どもたちの姿は、強く印象に残っています。聞けば、4月当初はロッカーの中に潜る子や授業中に廊下に出てしまう子など大変な状況だったと。Fさんの「待ち」の姿勢が子どもたちの信頼と安心を育てていったのだと思います。参観したSさんは「Fさんの授業ではなく、Fさんの教育を観せてもらった」と。「無意識」に行われているFさんの素晴らしい実践は、更にその魅力の秘密をサークルで明らかにしていきたいと思いました。

◯レポート3…「生活教育12月号」の「道徳の教科化に抗して」の読み合わせを提案。船越勝先生の論文「『道徳の教科化』というまやかしを斬る」を読んで意見交流を行いました。
論文では、そもそも「道徳の教科化」は教育学的に不可能、教科書を使った道徳の授業は建前にしかならず地域の生活に根ざした多様な教材が重要、国家が「正しい道徳」を上から定め到達目標として明確化にして指導することは子どもや国民の「内心の自由」や精神的自由権を侵害することになる…と。更に、人権・平和・民主主義を子どもたちに育てるために、(1)「本物の学び」を創り出していくこと、(2)自治的諸活動を通してシティズンシップを育てること、(3)以上を通底とするテーマ性を教師が自らのこだわりとのかかわりで設定し貫きながら実践を創造していく~それは、視点としての総合学習ということ。
読み合わせた後、戦後教育の変遷や「心のノート」が出された当時からの変遷など意見を交換し合いました。

◯レポート4…山陽小野田の3年社会科副読本の編集委員としてまとめられた原稿「農家の仕事」を紹介。夏休みを利用して、地域のふれあい市場や大豆作り農家、寝太郎かぼちゃ作り農家を取材。副読本の一部なので様々な制約はありながらも、副読本をきっかけに地域の調べ学習につながるものをという視点で大変工夫されていました。
………………………
生活教育サークルの次回は、5月17日(土)です。会場はいつも山口なのですが、できたら若い先生方もたくさんお誘いしたいと思います。


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Last updated  2016.09.19 11:23:55
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