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カテゴリ:バイオリン
娘のバイオリンの先生が不在の間たったの4回のレッスンだが
ロシアでオイストロフに習った75才のバイオリニストにレッスンを受けることになり 初めてその方にお目にかかった 英語に強いアクセントがあって 電話で連絡をした時には氏の言ってる事が聴き取りにくくて苦労した ドキドキで電話をしたのに レッスン中だったらしくて 「あなた誰~、今は忙しいから1時間後にかけ直して!」と強い口調でおっしゃる(そう聞こえる、アクセントのせいか?) ひえ~、ごめんなさーいで、1時間後かけ直すと 「あ~、忙しい、午後にかけ直して」 ようやく話が出来た時には私の緊張が頂点に達していて せっかく氏がお宅へ行く道順を教えて下さったのに 氏のアクセントとこっちの緊張でちんぷんかんぷん もう一度氏に電話をかける勇気なんて無く 氏をよく知るピアニストの方に泣きついた 旦那は出張、義母は教会関係のコンファレンスに出席していて 一番避けたいシュチュエーションで(長女のレッスンに長男と末っ子も連れて) 氏にお会いした 氏は奥さんの健康状態が良く無いことから 夏、家を不在にすることが出来ないため近年はキャンプ等に出掛ける事を辞めたらしい 氏は奥さんと老人専門のコンドミニアムに暮らしていらっしゃった 何人ものプロフェッショナルのバイオリニストを育てられたその栄光からは ほど遠いお住まいだ コンドミニアムの共同玄関には古くさいビニール張りのカウチが置いてある 氏の部屋がある階にエレベーターから下りた時は タバコの匂いが染み付いたようなしめったオレンジのカーペットに目眩がしそうだった ますます不安になりながら部屋番号を探し始めたら 氏がドアを開けて待っていて下さった 大勢で押し掛けた我らを見て 「お~、お~、お~」とおっしゃる こちらの事情を説明して謝ると 「お~、お~、この子たちは何がしたい?こっちで絵でも描いてるかい?お~、レッスンについていたい?お~、そーか、じゃ、君は(長男の肩をつかんで)ここに座って。あ、そっちの椅子はおかあさんの椅子。で、こっちを見てご覧、プールが見えるよ、次来る時はプールに泳ぎに行くかい?(と末っ子に)」 レッスン中 「そうだ!グッドガール!」と声が大きくなってビクッとするんだが この方はとっても優しい人であることが娘は良くわかるのだろう これまでミスターRに就いて3年間のレッスン中は口が一文字のままか 涙がじわ~っとするのみだったのが 【笑顔】で氏の云う事を聞いている 1時間のレッスンが1時間40分になりようやく終わるが 1時間分のレッスン料しか取って下さらない 娘が混乱するから辞めた方が良いとアドバイスしてくれた人もいたが 長年培われたその知識と情熱を たとえ短期間であろうとも 娘に伝えようとして下さっている 後に振り返って貴重な夏だったと思える きっと お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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