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テーマ:ニュース(99985)
カテゴリ:アメリカあれこれ
このタイトルを見て、ピンと来た人はいるだろうか。
先日、日本でも最近公開された映画「Abduction」を見た。 どこかの評価では「既に日本では公開されている情報(映像) ばかりで、これは外国人向けの映画」などと書かれていた けれど、自分の印象はむしろ逆。 そもそもアメリカでの公開映画館数はごく僅かで、各映画館 での公開も、一日限りか、長くても一週間程度。ちなみに 自分が見に行った時の席の埋まり具合は(非常に小さな マニア向けの映画館の)半分以下だった(30人程度?)。 というわけで個人的には「海外(アメリカ)でも注目されて いると、日本で宣伝するための映画」という印象。引用映像や インタビューされている報道関係者のほとんどが、フジ サンケイグループ関係者というのもかなり気になったし。 念のため言っておくと、北朝鮮による拉致は断じて許される ものではないし、被害者の方々にも重々同情している。 さて、日本のメディアは「アメリカでも公開され話題に」 とか「各映画祭で好評価」など、ポジティブ情報ばかりを 流しているようだけど、アメリカの「Abduction」公開 映画館の前で行われている抗議行動(映画の内容などへの 抗議行動ではない)に触れている報道はほとんどない。 調べた限りでは、毎日新聞で小さくふれられただけらしい。 素直に考えれば韓国朝鮮関係者の抗議行動くらいはありそう だけど、実は行動しているのはアメリカ人。そしてその内容は 「韓国朝鮮」とは全く関係なく、にもかかわらず内容は、 「日本人による拉致」だ。 というわけで、自分が行った映画館の前にもずらっと彼等の 主張が書かれたのプラカードが並んでいたわけだけど、見た 瞬間、「あっ、あのことだろうな」とすぐにピンときた。 楽天ブログ上をウロウロしてみたら、すでにこの話題について 書かれているブログを発見した。 「日本人によって拉致された外国人被害者がロスで抗議行動」 「日本人によって拉致された外国人被害者の抗議行動」 「日本の恥 子供を自分の所有物だと勘違いしてる馬鹿女」 そもそもの話のはじまりは、国際結婚。国際結婚して来米。 子供もできたものの夫婦仲に変化があり、離婚。子供の親権 などの話し合いとなるはずが、話し合い(もしくは裁判)の 途中、もしくは最悪話し合いに至る前に日本人元妻(もちろん 夫というケースもあるだろうけど、非常に稀)が子供を連れて 日本へ出国(逃亡)。 ちなみに上でリンクしたブログにも書かれているけど、日本は このようなケースに関する法整備が非常に遅れているか、 法解釈にかかわる社会文化的背景が欧米とは大きく異なるため 一度日本に逃げ込まれてしまうと、アメリカ人元配偶者は 手も足も出なくなってしまうのだ。 もちろんアメリカ側ではアメリカの法律に基づいて「状況」が 処理されていく。アメリカの場合、もう片方の配偶者の同意 なしに子供を連れ去れば、たとえ本当の親子でも「誘拐」と みなされ、FBI、さらに国際指名手配されればインター ポールの手配書に載ることになる。(当該サイトに行けば、 本名顔写真入りで、かなりの人数の日本人女性が実際に 指名手配されていることがわかる。本人ばかりか親までもが 「共犯者」として手配されているのも見かけた。) もちろん、日本国内にいる限りは今のところどうなることも ないが、少なくとも彼女らは二度とアメリカには来られないし ヘタをすれば二度と海外に出ることもできない。 ちなみに日本は「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ 条約」に署名していない唯一の先進国。(だから彼女らも 安穏としていられるわけ。)結果、極端なケースでは 「拉致天国」と揶揄されることもある・・・ということは 日本の人はあまり知らないと思う。ほとんどの人は日本は (第二次世界大戦前、中のゴタゴタはさておき)「拉致」に 関しては一方的な被害者だと思っているんじゃないかなぁ。 まあ親子関係もしくは家族というものの社会的価値観の相違と いってしまえばそれまでだけど、裏をかえせば「あちら側」 から見れば、これは立派な「拉致事件」だ。 「拉致」という言葉こそ使っていないけれど、アメリカ政府も こと最近、そういったケースが増加しているため、ピリピリ してきているようだ。(リンク先にもあるように「現在 (アメリカ)国務省が対処している子の奪取事例で、東アジア 諸国の中で日本が最多の件数となって」いるそうだ。) 後編に続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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